5GBASE-T(IEEE802.3bz)

5GBASE-T(IEEE802.3bz)

 5GBASE-Tは、ネットワークデータの転送速度が5ギガビット/秒であるイーサネット規格の一つです。正式な規格名はIEEE 802.3bzであり、一般的には5GBASE-Tと呼ばれています。

5GBASE-T

 5GBASE-Tは、通信ケーブルとして既存のカテゴリ5eまたはカテゴリ6ケーブルを使用します。これにより、既存のケーブルインフラストラクチャを再利用しながら、高速なデータ転送が可能となります。カテゴリ5eケーブルは、最大100メートルの距離で5ギガビット/秒の転送速度をサポートし、カテゴリ6ケーブルは最大55メートルの距離で同じ速度をサポートします。

 5GBASE-Tは、従来のギガビットイーサネット(1GBASE-T)と比較して、データ転送速度を5倍に向上させています。これにより、高帯域幅を必要とするアプリケーションやネットワーク環境において、より高速なネットワーク接続が可能となります。

 5GBASE-Tは、エンタープライズネットワークやデータセンター、クラウドコンピューティング環境などの大規模なネットワーク環境で使用されています。特に、ビッグデータ処理、高解像度のビデオストリーミング、仮想化環境などでの利用が増えています。

 5GBASE-TはIEEE 802.3bz規格として標準化されており、異なるベンダー間の互換性を保証するためにテストされています。したがって、異なるベンダーのネットワーク機器やサーバーなどを使用しても、5GBASE-Tネットワークを構築することができます。

 なお、5GBASE-Tは10ギガビットイーサネット(10GBASE-T)と比較しても、より低コストで実装できるとされています。これにより、中小規模のネットワーク環境でも高速なネットワーク接続を実現することが可能です。