有線LAN

有線LAN

 有線LANとは、物理的なケーブルで接続されたコンピューターやネットワーク機器を使用して、データ通信を行うローカルエリアネットワーク(LAN)のことを指します。

 有線LANは、様々なトポロジーで構成されることができますが、最も一般的なトポロジーはスター型です。スター型トポロジーでは、すべてのコンピューターが中央にあるハブやスイッチに接続されています。データは、送信元コンピューターからハブやスイッチに送信され、その後、宛先コンピューターに転送されます。

 有線LANでは、Ethernetが最も一般的な通信プロトコルです。Ethernetは、最大1Gbpsの転送速度を提供し、カテゴリー5(Cat5)やカテゴリー6(Cat6)のような異なるケーブル規格を使用して実装されます。

 有線LANのメリットは、高速で信頼性が高く、セキュリティが比較的容易に確保できることです。一方、デメリットは、ケーブルを引き回す必要があるため、設置に手間がかかることや、移動ができないこと、物理的な故障やケーブルの切断に弱いことが挙げられます。

また、有線LANには、以下のような規格や技術が存在します。

  • Fast Ethernet
    100Mbpsの転送速度を提供する規格で、Ethernetの拡張版です。
  • Gigabit Ethernet
    1Gbpsの転送速度を提供する規格で、Fast Ethernetの10倍の速度を実現します。
  • Power over Ethernet (PoE)
    ネットワークケーブルを通じて電力を供給する技術で、電源ケーブルを別途引く必要がなく、設置が容易になります。
  • Virtual LAN (VLAN)
     物理的に分離された複数のネットワークを、論理的に1つのネットワークにまとめる技術です。セキュリティ強化やトラフィック分離に有用です。
  • Link Aggregation Control Protocol (LACP)
    複数のネットワークポートを束ねて1つの論理的なポートに見せかける技術で、冗長性の向上や負荷分散に有用です。

 有線LANは、オフィスやデータセンターなどのビジネス環境で広く使用されています。しかし、モバイル端末の普及やワイヤレス技術の進化により、無線LANがより一般的な選択肢となっています。