メールスプーフィング

メールスプーフィング

 メールスプーフィングとは、正規のメールアドレスやドメインを偽装して、第三者にメールを送信することを指します。これにより、受信者が正当な差出人と信じてメールを開封すると、個人情報の漏洩や詐欺被害などのリスクが発生する可能性があります。

 メールスプーフィングは、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)と呼ばれる電子メールのプロトコルによって可能になります。SMTPは、認証の仕組みがなく、誰でも自由にメールを送信できるため、偽装されたメールアドレスやドメインを使用したメールを送信することができます。

一般的に、メールスプーフィングは、以下の方法で行われます。

  1. 送信者アドレスの偽装
     偽装された送信者アドレスを使用して、メールを送信します。例えば、自分のメールアドレスを偽装することで、偽装されたメールが自分から送信されたように見せかけることができます。
  2. ドメインの偽装
     偽装されたドメイン名を使用して、メールを送信します。例えば、銀行のドメイン名を偽装して、受信者に詐欺メールを送信することができます。

メールスプーフィングから身を守るためには、以下の方法があります。

  1. DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)の導入 DMARCは、SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)という2つの技術を組み合わせて、ドメイン名の偽装を検出する仕組みです。DMARCを導入することで、偽装されたメールを受信者のメールサービスがブロックすることができます。
  2. セキュリティソフトウェアの導入 セキュリティソフトウェアを導入することで、偽装されたメールを検知することができます。また、フィッシング対策などの機能も備えている場合があります。
  3. 受信者側での注意 受信者は、メールの差出人や内容などを注意深く確認し、怪しいメールは開封せずに削除するようにすることが大切です。また、差出人に直接確認するなど、二段階認証を取ることも有効です。
  4. SPFの導入 SPFは、メール送信元のIPアドレスがドメインの送信元として許可されているかどうかを認証する技術です。メール送信元のドメインに対してSPFレコードを作成し、許可されたIPアドレスのみからのメール送信を許可することで、偽装されたメールをブロックすることができます。
  5. メールヘッダーの確認 受信者は、メールのヘッダー情報を確認することで、メールの差出人や送信元のドメインなどを確認することができます。メールヘッダー情報は、一般的に「表示」や「ヘッダー情報を表示」などのメニューから確認できます。
  6. 強力なパスワードの使用 メールアカウントのパスワードは、強力なものに設定することが重要です。また、同じパスワードを複数のサイトやアカウントで使用しないようにすることも重要です。

 メールスプーフィングによる被害を最小限に抑えるために、受信者側だけでなく、送信者側もセキュリティ対策を行うことが重要です。具体的には、SPFやDKIMの設定、DMARCの導入、SSLの使用などが有効です。