ハッシュ関数

ハッシュ関数

 ハッシュ関数は、任意のデータを固定長のデータ列(ハッシュ値、ダイジェスト)に変換する関数です。ハッシュ関数によって生成されたハッシュ値は、元のデータから導き出すことができないため、ハッシュ関数は不可逆関数と呼ばれます。ハッシュ関数は、データの一意の識別子やデータの整合性チェック、データの検索や比較などに使用されます。

ハッシュ関数には、以下のような特性があります。

  1. 同じ入力に対しては常に同じハッシュ値を生成する。
  2. 異なる入力に対しては異なるハッシュ値を生成する。
  3. ハッシュ値から元のデータを導き出すことができない。
  4. 少しでも異なる入力に対しては、大幅に異なるハッシュ値を生成する(衝突を回避するため)。

 代表的なハッシュ関数には、MD5、SHA-1、SHA-2、SHA-3などがあります。MD5やSHA-1は、かつては広く使用されていましたが、現在はセキュリティ上の問題が指摘されており、SHA-2やSHA-3などのより安全なハッシュ関数が推奨されています。

 ハッシュ関数は、データの整合性チェックやパスワードのハッシュ化、デジタル署名など、多くのセキュリティアプリケーションで使用されています。しかし、ハッシュ関数が安全であるかどうかは、衝突の発生率や計算量などの要因によって異なります。したがって、適切なハッシュ関数の選択や適切な使用方法が重要です。