サイバーセキュリティ基本法
サイバーセキュリティ基本法
サイバーセキュリティ基本法は、日本の国内におけるサイバーセキュリティの確保に関する法律であり、2015年に成立しました。以下に、詳細を説明します。
【目的】
サイバーセキュリティの確保に関する基本的な方針を定め、国及び地方公共団体その他の関係者が緊密に連携し、協調して、サイバーセキュリティを確保することを目的としています。
【対象】
国及び地方公共団体、事業者等が対象となります。また、サイバーセキュリティの確保に関する取組を推進するための機関である「サイバーセキュリティセンター」が設置され、センターの業務に従事する職員も対象となります。
【内容】
以下のような内容が含まれます。
- 国や地方公共団体が、サイバーセキュリティに関する基本的な方針を策定し、事業者等に対して周知徹底すること。
- 事業者等が、自らのサイバーセキュリティ対策を適切に行うこと。
- サイバーセキュリティセンターが、サイバーセキュリティに関する情報を収集・分析し、関係機関に提供すること。
- サイバーセキュリティセンターが、サイバーセキュリティに係る危険性や脆弱性について、広く一般に周知すること。
- 国や地方公共団体が、サイバーセキュリティに関する人材の育成や研修などを推進すること。
【罰則】
法律違反に対しては、罰則が設けられています。例えば、サイバーセキュリティ対策を怠った事業者には、最高で500万円以下の罰金が科せられることがあります。
サイバーセキュリティ基本法に基づき、日本政府は以下のような施策を進めています。
- サイバーセキュリティに関する研究開発の推進
サイバーセキュリティの脅威に対応するために、政府が主導する研究開発を推進しています。その中でも、国内の研究開発を促進することが重要視されています。
- サイバーセキュリティ人材の育成・確保
サイバーセキュリティの専門家の不足が問題となっています。政府は、サイバーセキュリティ人材を育成し、確保するための施策を進めています。その一環として、大学や研究機関における人材育成支援や、企業における人材確保支援などが挙げられます。
- サイバーセキュリティに関する情報共有の促進
サイバーセキュリティに関する情報共有が不十分だと、脅威の早期発見・対処が困難になります。政府は、官民を含めた広範な情報共有の仕組みを整備することで、脅威の早期発見・対処を進めています。
- サイバーセキュリティ対策の基本方針・指針の策定・普及
政府は、サイバーセキュリティ対策の基本方針や指針を策定し、普及を進めています。これにより、企業や一般ユーザーに対しても、サイバーセキュリティ対策の重要性や具体的な対策方法を啓発しています。
- サイバー攻撃に対する防御・対応体制の整備
政府は、サイバー攻撃に対する防御・対応体制の整備を進めています。官民を含めた広範な連携を促進し、サイバー攻撃に対して迅速・適切な対応ができるように取り組んでいます。
サイバーセキュリティ基本法において、政府は国民に対し、サイバーセキュリティに関する意識向上を促進するため、以下のような取り組みを行うことが定められています。
- サイバーセキュリティに関する啓発・教育を推進すること。
- 情報システムの適切な運用や運営に関する指針を策定すること。
- 重要インフラ等のセキュリティ確保に関する取り組みを進めること。
- セキュリティリスクに対する適切な対策の推進、及び事故発生時の迅速かつ適切な対応に関する体制整備を行うこと。
- サイバー攻撃の状況及びその傾向に関する情報を収集・分析すること。
また、サイバーセキュリティ基本法には、政府機関、事業者、個人が、それぞれの立場でサイバーセキュリティに関する責任を負うことが明確に定められています。政府は、事業者等に対し、サイバーセキュリティの確保に必要な措置を講じるよう指導し、支援することが求められています。一方、事業者等は、自らのサイバーセキュリティの確保に努めるとともに、政府等からの指導を遵守する責任があります。個人については、自己責任において、情報セキュリティに関する基本的な知識を身につけ、安全にインターネットを利用することが求められます。