共通鍵

共通鍵

 共通鍵 (Symmetric Key) は、暗号化に使用される鍵の1つであり、同じ鍵を暗号化と復号に使用する方式です。共通鍵暗号方式は、鍵を保護する必要がありますが、処理速度が速いという利点があります。

 共通鍵暗号方式は、秘密鍵暗号方式とも呼ばれます。秘密鍵暗号方式は、暗号化と復号に同じ鍵を使用するため、鍵の保護と鍵の共有が必要です。つまり、通信の双方が同じ鍵を持っている必要があります。この鍵を他の人に知られないように共有することが必要であり、鍵管理が重要になります。

 共通鍵暗号方式には、DES (Data Encryption Standard)、AES (Advanced Encryption Standard)、3DES (Triple DES) などがあります。AES は、現在最も広く使用されている共通鍵暗号方式の1つであり、128ビット、192ビット、256ビットの鍵長をサポートしています。共通鍵暗号方式は、データの暗号化に使用されます。例えば、Webサイトの通信やファイルの暗号化に使用されます。

 共通鍵暗号方式は、鍵を共有する必要があるため、鍵が第三者に盗まれる可能性があるという欠点があります。また、鍵が多くの場合、暗号化と復号に使用されるため、鍵が漏洩すると、暗号化されたデータが解読される可能性があります。そのため、セキュリティ強度を高めるために、鍵の定期的な更新や、鍵の生成方法の改善が必要です。

 また、共通鍵暗号方式は、鍵の数が増えるにつれて鍵管理の問題が複雑になります。例えば、N人のユーザーがいる場合、ユーザー間での鍵の共有は、N*(N-1)/2 の数の鍵が必要になります。この数は、ユーザー数が増えるにつれて指数関数的に増加します。これに対して、公開鍵暗号方式は、鍵の数が少なくて済むため、鍵管理の問題が緩和されます。

 共通鍵暗号方式は、暗号化・復号処理に同じ鍵を使用するため、処理速度が高速であるという利点があります。例えば、AES は、暗号化処理において高速であるため、Webサイトの通信に広く使用されています。

 ただし、共通鍵暗号方式は、鍵の共有と鍵の管理が必要であり、鍵の漏洩や第三者による鍵の盗難などのリスクがあります。また、鍵が暴かれると、以前に暗号化された情報も解読されるため、定期的な鍵の更新や鍵の変更が必要です。