SQLインジェクション

SQLインジェクション

 SQLインジェクションとは、Webアプリケーションなどの入力フォームなどに不正なSQL文を埋め込むことで、データベースに対して不正な操作を行う攻撃手法のことを指します。SQLインジェクションは、Webアプリケーションの脆弱性の一つであり、機密情報や個人情報などの漏洩、改ざん、破壊などの被害を引き起こす可能性があります。

SQLインジェクション攻撃は、以下のような手法で行われます。

  1. 入力フォームに不正なSQL文を埋め込む 攻撃者は、入力フォームに不正なSQL文を埋め込むことで、データベースに対して不正な操作を行おうとします。

例:ユーザー名とパスワードを入力するフォームがある場合、以下のようなSQL文を入力することで、すべてのユーザーのパスワードを取得することができます。

' OR 1=1 --
  1. SQL文を改ざんする 攻撃者は、既存のSQL文を改ざんすることで、データベースに対して不正な操作を行おうとします。

例:以下のようなSQL文で、ユーザー名とパスワードを確認する場合、

SELECT * FROM users WHERE username = 'ユーザー名' AND password = 'パスワード'

攻撃者は、以下のようなSQL文を改ざんすることで、すべてのユーザーの情報を取得することができます。

SELECT * FROM users WHERE username = '' OR '1'='1' --' AND password = ''

SQLインジェクション攻撃に対する防御策としては、以下のようなものがあります。

  1. パラメータ化されたクエリの使用 SQLクエリの作成において、パラメータ化されたクエリを使用することで、SQLインジェクション攻撃を防ぐことができます。パラメータ化されたクエリでは、変数としてクエリに値を渡すため、ユーザーが入力した文字列をそのままSQLクエリに埋め込むことがなくなります。
  2. 入力データの検証とクリーニング ユーザーからの入力データを、適切な形式に変換したり、入力データのバリデーションを行ったりすることで、SQLインジェクション攻撃を防ぐことができます。たとえば、数字のみを許可するフィールドに文字列が入力された場合は、それを拒否するようにするなどです。
  3. 最小特権の原則の適用 データベースへのアクセス権限を必要最低限に絞ることで、攻撃者がデータベースにアクセスできる範囲を制限することができます。また、データベースの設定を見直し、攻撃者が不正なクエリを実行できないようにすることも重要です。
  4. セキュリティプログラムの導入 SQLインジェクション攻撃を検知し、適切な対応を行うためのセキュリティプログラムを導入することも効果的です。たとえば、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)やIDS(侵入検知システム)などが挙げられます。
  5. 定期的な監査とテスト SQLインジェクション攻撃を未然に防ぐためには、システムのセキュリティ監査やペネトレーションテストを定期的に行うことが重要です。これにより、システムに潜む脆弱性を発見し、修正することができます。