暗号化

暗号化

 暗号化とは、データを一定のルールに従って変換して、不正アクセスから保護する技術のことです。暗号化によって、第三者によるデータの盗聴や改ざん、不正アクセスを防ぐことができます。

暗号化には、対称鍵暗号と公開鍵暗号の2種類があります。

  1. 対称鍵暗号

 対称鍵暗号とは、暗号化と復号化に同じ鍵を使う方式のことです。つまり、暗号化したデータを復号化する際には、同じ鍵を使用する必要があります。

 対称鍵暗号は、暗号化や復号化の処理速度が高速であることが特徴です。ただし、鍵を共有する必要があるため、鍵を保管するための仕組みや、鍵を共有するための安全な方法を確立する必要があります。代表的な対称鍵暗号として、AES(Advanced Encryption Standard)やDES(Data Encryption Standard)などがあります。

  1. 公開鍵暗号

 公開鍵暗号とは、暗号化と復号化に異なる鍵を使う方式のことです。つまり、暗号化する際には公開鍵を使用し、復号化する際には対応する秘密鍵を使用します。

 公開鍵暗号は、鍵を共有する必要がないため、鍵を安全に管理する必要がありません。また、暗号化したデータを送信する相手に対して、公開鍵を配布することで、データの秘匿性を保つことができます。

 ただし、暗号化や復号化の処理速度が遅いため、対称鍵暗号に比べて処理速度が低下することがあります。代表的な公開鍵暗号として、RSA(Rivest–Shamir–Adleman)やDSA(Digital Signature Algorithm)などがあります。

暗号化は、情報セキュリティにおいて重要な技術であり、暗号化技術を駆使したセキュリティ対策が求められています。

暗号化には、次のような種類があります。

  1. ブロック暗号化

 ブロック暗号化とは、データを一定の大きさに区切って暗号化する方式のことです。一般的には、データを64ビットまたは128ビットのブロックに分割し、各ブロックを同じ鍵で暗号化します。

 代表的なブロック暗号化アルゴリズムには、DES(Data Encryption Standard)、3DES(Triple DES)、AES(Advanced Encryption Standard)などがあります。

  1. ストリーム暗号化

 ストリーム暗号化とは、データをストリームとして処理し、1ビットずつまたは1バイトずつ暗号化する方式のことです。ストリーム暗号化は、データの長さに依存しないため、データの長さが変わっても処理速度が一定になるという特徴があります。

代表的なストリーム暗号化アルゴリズムには、RC4(Rivest Cipher 4)などがあります。

  1. ハッシュ関数

 ハッシュ関数とは、データを一定の長さの固定長データに変換する関数のことです。ハッシュ関数を用いることで、データの内容を元にハッシュ値を生成することができます。同じデータからは必ず同じハッシュ値が生成されるため、ハッシュ値を比較することで、データの改ざんを検知することができます。

代表的なハッシュ関数には、SHA-1(Secure Hash Algorithm 1)、SHA-2、SHA-3、MD5(Message-Digest Algorithm 5)などがあります。

 暗号化技術は、情報セキュリティのみならず、プライバシーや著作権保護などにも活用されています。しかし、暗号化技術を用いた攻撃や、暗号化技術そのものに対する攻撃も存在するため、常に最新のセキュリティ対策を講じる必要があります。