ローミング

ローミング

 アクセスポイントは、ワイヤレスネットワークにおいて無線端末が通信を行うための接続ポイントです。ローミングとは、ワイヤレスネットワーク上で端末が移動した場合に、自動的に別のアクセスポイントに接続する機能のことを指します。

 例えば、スマートフォンを使ってWi-Fi接続している場合、自宅や職場など複数のアクセスポイントが存在するかもしれません。このとき、端末が1つのアクセスポイントから別のアクセスポイントへと移動する場合、ローミング機能が働いて自動的に別のアクセスポイントに接続されます。

 ローミングは、アクセスポイント同士が互いに情報を共有することによって実現されます。具体的には、アクセスポイント同士がSSID(無線LANのネットワーク名)やセキュリティ設定などの情報を共有することで、端末が移動した際に自動的に接続先のアクセスポイントを判断することができます。

 ローミングの速度は、アクセスポイント同士が情報を共有するための通信速度や、端末の性能などに影響されます。また、ローミングがうまくいかない場合には、接続が途切れたり通信速度が低下するなどの問題が生じる可能性があります。

ローミングには以下のような種類があります。

  1. アクティブローミング
     アクティブローミングとは、端末が接続しているアクセスポイントの電波強度が弱くなった場合に、自動的に別のアクセスポイントに接続する機能のことです。端末が自動的に接続先を切り替えるため、ユーザーは何も操作する必要はありません。アクティブローミングは、ネットワーク上でリアルタイムの通信を行う場合に適しています。
  2. パッシブローミング
     パッシブローミングとは、端末が接続しているアクセスポイントが通信可能な状態であっても、近くに別のアクセスポイントがある場合に、ユーザーが手動で切り替える必要がある機能のことです。パッシブローミングは、ユーザーが特定のアクセスポイントに接続したい場合や、接続先のアクセスポイントを事前に決めておく場合に適しています。
  3. セミアクティブローミング
     セミアクティブローミングとは、端末が接続しているアクセスポイントの通信状況を常時監視し、必要に応じて別のアクセスポイントに接続する機能のことです。アクティブローミングとパッシブローミングの両方の特徴を併せ持つため、最も一般的なローミングの方式として広く使われています。

 ローミングは、モバイルデバイスが普及して以降、ワイヤレスネットワークにおいて重要な機能となっています。特に、公共の場やオフィス、空港や駅など、多くの人が利用する場所においては、アクセスポイントの密度が高くなるため、ローミング機能が必要不可欠となっています。