ロンゲストマッチ

ロンゲストマッチ

 ロンゲストマッチ(longest match)は、IPルーティングにおいて、パケットの宛先IPアドレスとマッチする経路を決定する際に使用されるアルゴリズムです。

 IPルーティングテーブルには、送信されたパケットの宛先IPアドレスに基づいて、異なるネットワークまたはサブネットに到達するための経路情報が含まれています。パケットがルーターに送信されると、ルーターはIPヘッダーの宛先IPアドレスを比較し、ルーティングテーブルのエントリーと照合して、パケットを転送する次のホップを決定します。

 ロンゲストマッチアルゴリズムでは、ルーターは宛先IPアドレスに対して、ルーティングテーブル内のエントリーの中で最も長いプレフィックス(IPアドレスの先頭ビット)に基づいて照合を行います。つまり、パケットの宛先IPアドレスが複数のルーティングエントリーにマッチする場合、最も長いプレフィックスにマッチするエントリーを選択します。これにより、最適な経路が選択され、パケットが最終的な宛先に到達するための最短経路が見つかります。

例えば、ルーティングテーブルに以下のようなエントリがあるとします。

10.0.0.0/24 via 192.168.1.1
10.0.1.0/24 via 192.168.2.1
10.0.1.128/25 via 192.168.3.1

 宛先IPアドレスが10.0.1.200の場合、最長マッチアルゴリズムにより10.0.1.128/25の経路が選択されます。10.0.1.0/24の経路は、より一般的なネットワーク宛先にマッチするため、最長マッチの対象外となります。同様に、10.0.0.0/24の経路も最長マッチの対象外となります。