ロードバランサ
ロードバランサ
ロードバランサは、ネットワークトラフィックを分散するためのデバイスまたはソフトウェアです。ロードバランサは、複数のサーバーにアクセスするネットワークトラフィックを配分することで、複数のクライアントのアクセスに対してサーバーの負荷を均等に配分することができます。ロードバランサの主な機能としては以下のようなものがあります。
- トラフィック分散
ロードバランサは、複数のサーバーにトラフィックを配分することで、負荷分散を実現します。トラフィックが分散されることで、単一のサーバーに負荷が集中することを避け、より高い可用性を実現することができます。 - ヘルスチェック
ロードバランサは、バックエンドのサーバーが正常に動作しているかどうかを定期的にチェックします。ヘルスチェックにより、異常な状態にあるサーバーにアクセスを送信することを避け、クライアントに正常なレスポンスを返すことができます。 - セッション管理
ロードバランサは、クライアントのセッション情報を保持することができます。これにより、同じセッションに関連するリクエストが同じバックエンドサーバーにルーティングされることが保証されます。 - SSLオフロード
ロードバランサは、SSLトラフィックを処理することができます。これにより、バックエンドサーバーに負荷をかけることなく、安全な通信を実現することができます。 - スケーラビリティ
ロードバランサは、新しいサーバーを追加して、負荷を均等に配分することができます。これにより、システムのスケーラビリティを高めることができます。
ロードバランサには、ハードウェアとソフトウェアの両方があります。ハードウェアロードバランサは、高速なトラフィック分散を実現するために専用ハードウェアを使用しています。ソフトウェアロードバランサは、通常は仮想マシンやコンテナ内で実行され、ハードウェアロードバランサよりも柔軟にトラフィックを分散させることができます。
ロードバランサには、以下のような主な種類があります。
- ハードウェアロードバランサ
物理的なハードウェア装置として提供されるロードバランサです。高速なパフォーマンスを持ち、大量のネットワークトラフィックを処理することができます。 - ソフトウェアロードバランサ
ソフトウェアとして提供されるロードバランサです。通常は仮想マシン上にインストールされ、クラウド環境でよく使用されます。 - DNSロードバランサ
DNSによってドメイン名をIPアドレスに解決する際に、複数のIPアドレスを返すことで負荷分散を行います。ただし、DNSキャッシュの問題や、クライアントが返されたIPアドレスをキャッシュすることで、負荷分散の効果が薄れることがあります。 - グローバルロードバランサ
世界各地に分散した複数のデータセンターに設置されたロードバランサを連携させることで、ユーザーの場所に最も近いデータセンターにトラフィックを配分することができます。 - アプリケーションロードバランサ
L7(アプリケーション層)で負荷分散を行うロードバランサです。HTTPやHTTPSなどのアプリケーションプロトコルに基づいて、特定のアプリケーションサーバーにトラフィックを振り分けることができます。例えば、特定のURLパスやHTTPヘッダーに基づいて、トラフィックを振り分けることができます。 - ネットワークロードバランサ
L4(トランスポート層)で負荷分散を行うロードバランサです。TCPやUDPなどのトランスポートプロトコルに基づいて、特定のポート番号に対するトラフィックを複数のサーバーに分散することができます。