ポリシング

ポリシング

 QoS(Quality of Service)におけるポリシングとは、ネットワークトラフィックの送信速度や帯域幅を制限することで、ネットワーク上のリソースの使用を制御する技術です。ポリシングは、ネットワーク上のトラフィックが事前に設定された基準を超えないように制限することで、ネットワークの効率性や信頼性を向上させます。

ポリシングは、主に以下の2つの目的で使用されます。

  1. トラフィックの流量制限
     ポリシングは、トラフィックの流量を制限することで、ネットワーク上で優先順位の低いトラフィックが帯域幅を占有することを防ぎ、ネットワーク全体のトラフィックの流れを制御することができます。たとえば、ビデオストリーミングやダウンロードなどの大容量トラフィックが、ビジネスアプリケーションなどの重要なトラフィックの通信を遅延させないように制限することができます。
  2. QoSの保証
     ポリシングは、QoSの保証を目的として使用されることもあります。ポリシングによって、トラフィックの送信速度を制限し、帯域幅を均等に分割することができます。これにより、ネットワーク上で重要なトラフィックが優先的に送信され、ビジネスアプリケーションなどのトラフィックがスムーズに処理されるようになります。

 ポリシングでは、トラフィックが事前に設定された基準を超えた場合に、トラフィックをドロップするか、低優先度のトラフィックに転送することができます。ポリシングは、ネットワークの帯域幅管理やトラフィックの優先順位管理において、重要な役割を果たしています。

ポリシングは、一般的には以下のような手順で行われます。

  1. トラフィックの監視
     ポリシングは、トラフィックの監視から始まります。ネットワークデバイスは、送信されたトラフィックの種類、送信元、送信先などを監視して、ポリシングの対象となるトラフィックを特定します。
  2. ポリシングルールの設定
     ポリシングの対象となるトラフィックを特定したら、次にポリシングルールを設定します。ポリシングルールには、トラフィックの制限条件、帯域幅の制限、ドロップ条件などが含まれます。
  3. トラフィックの分類
     ポリシングルールを設定した後は、トラフィックを分類します。ポリシングには、分類に基づいて異なる制限を設定できます。例えば、ビデオストリーミングのトラフィックは帯域幅を制限することができますが、ビジネスアプリケーションのトラフィックは帯域幅の制限を設けずに優先的に送信することができます。
  4. トラフィックの制限
     ポリシングルールとトラフィックの分類が完了したら、ポリシングはトラフィックの制限を開始します。制限には、トラフィックの帯域幅の制限、ドロップの閾値の設定などが含まれます。
  5. トラフィックのドロップ
     ポリシングは、設定された制限を超えたトラフィックをドロップすることもあります。ポリシングルールには、ドロップの閾値が設定されている場合があり、トラフィックがその閾値を超えると、ポリシングはトラフィックをドロップして帯域幅を解放します。

 ポリシングは、ネットワーク上で重要な役割を果たしています。QoSポリシングによって、帯域幅の効率的な利用が実現され、ネットワークのパフォーマンスが向上することが期待できます。ただし、ポリシングの設定には注意が必要であり、過度なポリシングによってトラフィックの遅延やドロップが発生し、ユーザーエクスペリエンスが悪化する可能性があります。