ELBのクロスゾーン負荷分散

ELBのクロスゾーン負荷分散

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 ELB(Elastic Load Balancer)は、複数のEC2インスタンスに対してトラフィックを均等に分散するAWSのマネージドロードバランサーサービスです。ELBには、Classic Load Balancer、Application Load Balancer、Network Load Balancerの3種類があります。

 ELBのクロスゾーン負荷分散は、異なるAZ(アベイラビリティーゾーン)にあるEC2インスタンスを含めてトラフィックを均等に分散する機能です。通常、ELBは、各AZ内のEC2インスタンスに対して均等にトラフィックを分散します。しかし、AZの障害が発生した場合、そのAZ内のEC2インスタンスが利用できなくなります。この場合、通常のELBでは、利用可能なEC2インスタンスのうち、同じAZにあるEC2インスタンスにトラフィックが集中してしまい、他のAZのEC2インスタンスにトラフィックが分散されず、負荷分散が不均等になってしまう可能性があります。

 この問題を解決するために、クロスゾーン負荷分散が導入されました。クロスゾーン負荷分散を有効にすると、各AZ内のEC2インスタンスだけでなく、他のAZのEC2インスタンスにもトラフィックが均等に分散されます。つまり、障害が発生したAZ内のEC2インスタンスが利用できなくなっても、他のAZ内のEC2インスタンスにトラフィックが分散されるため、負荷分散が不均等になることがありません。

 ELBのクロスゾーン負荷分散を有効にするには、ELBのコンソールから設定を変更するか、APIまたはCLIを使用して設定を変更する必要があります。ただし、クロスゾーン負荷分散を有効にすると、各AZのネットワークトラフィックが増加するため、アプリケーションの負荷に応じて適切な設定を行う必要があります。

 クロスゾーン負荷分散を有効にすることで、ELBはリージョン内のすべてのAZにあるインスタンスを均等に利用することができます。例えば、リージョンに3つのAZがある場合、ELBは各AZに同じ数のインスタンスを配置し、それらを均等に利用します。

 ただし、クロスゾーン負荷分散を使用する場合、AZ間のネットワークトラフィックが増加するため、通信コストがかかる可能性があります。また、アプリケーションが複数のAZにまたがる場合、データの整合性を保つ必要があるため、追加の設計上の考慮が必要になります。

 ELBのクロスゾーン負荷分散は、高可用性とスケーラビリティを向上させるために役立ちます。ただし、実際の使用にあたっては、アプリケーションのニーズに合わせて適切に設定する必要があります。