ポートVLAN

ポートVLAN

 ポートVLAN (Port-based VLAN) とは、ネットワークスイッチにおいて、各ポートを仮想的なセグメントに分割する技術です。ポートVLANを使用することで、異なるVLANに所属するデバイスを同一のスイッチ上で接続することができます。これにより、VLANごとにトラフィックを分離し、ネットワークのセキュリティを向上させることができます。

 ポートVLANでは、各ポートに対してVLAN IDを設定します。VLAN IDは、1から4094までの範囲で設定でき、同一スイッチ上の異なるポートには同じVLAN IDを設定することができます。VLAN IDは、データフレームのヘッダに挿入され、ネットワーク上を転送されます。受信側のスイッチは、VLAN IDを参照して、どのポートにフレームを転送するかを決定します。

 ポートVLANを使用することで、1つのスイッチ上で複数のVLANを設定することができます。例えば、スイッチのポート1と2にはVLAN10、ポート3と4にはVLAN20を設定することができます。この場合、ポート1と2に接続されたデバイスはVLAN10に所属し、ポート3と4に接続されたデバイスはVLAN20に所属します。VLANごとにトラフィックを分離することで、セキュリティを向上させることができます。また、ポートVLANを使用することで、同一VLAN内のデバイス間の通信はスイッチ内部で転送されるため、ルータを使用しなくても通信が可能になります。

 ただし、ポートVLANを使用する場合、各ポートは単一のVLANに所属するため、複数のVLANにまたがる通信を行う場合には、ルータが必要となります。また、ポートVLANは、スイッチ単体で構成可能なため、管理が簡単ですが、VLANの数が増えると管理が煩雑になる場合があります。

さらに、ポートVLANには以下のような特徴があります。

  1. セグメンテーションが容易
     ポートVLANを使用することで、異なるVLANに所属するデバイスを同一スイッチ上で接続することができます。このため、セグメンテーションが容易になります。
  2. セキュリティが向上
     ポートVLANを使用することで、異なるVLANに所属するデバイス同士の通信を制限することができます。これにより、ネットワークのセキュリティが向上します。
  3. パフォーマンスが向上
     ポートVLANを使用することで、不必要なトラフィックが減少するため、ネットワークのパフォーマンスが向上します。
  4. 柔軟性が低い
     ポートVLANでは、各ポートは単一のVLANに所属するため、複数のVLANにまたがる通信を行う場合には、ルータが必要となります。
  5. 管理が容易
     ポートVLANは、スイッチ単体で構成可能なため、管理が簡単ですが、VLANの数が増えると管理が煩雑になる場合があります。

 ポートVLANは、小規模なネットワークで使用されることが多いです。大規模なネットワークでは、より柔軟性の高いタグVLAN(Tag-based VLAN)が使用されることが多いです。