プロキシサーバ

プロキシサーバ

 プロキシサーバは、インターネット上の情報を要求したクライアントと、その情報を提供するサーバとの間にある中継サーバです。クライアントがインターネット上の情報を要求すると、プロキシサーバは代理でサーバにアクセスして情報を取得し、その情報をクライアントに返します。このような仕組みにより、クライアントは直接サーバにアクセスする必要がなく、セキュリティやキャッシュ効果などのメリットが得られます。

  1. キャッシュ機能
     クライアントからのリクエストに対して、サーバからのレスポンスをキャッシュし、同じリクエストがあった場合にはキャッシュから応答することで、帯域幅を節約できます。
  2. セキュリティ機能
     プロキシサーバは、クライアントからのリクエストを中継するため、サーバ側からはクライアントが誰であるかわからなくなってしまいます。そのため、プロキシサーバは、セキュリティ上のリスクを軽減するために、クライアントからのリクエストを適切に認証・承認する機能を持つことがあります。
  3. アクセス制御機能
     プロキシサーバは、クライアントからのリクエストに対して、許可された範囲内でのアクセスしか許可しないことができます。例えば、企業内のネットワークでは、プロキシサーバを使って社員が社外のWebサイトにアクセスする際に、社内規定で定められた範囲内のWebサイトのみ許可することができます。
  4. ロードバランシング機能
     複数のサーバに対して、クライアントからのリクエストを分散させる機能があります。これにより、負荷分散を実現し、高い可用性を確保できます。
  5. プロトコル変換機能
     プロキシサーバは、クライアントからのリクエストに対して、必要に応じてプロトコル変換を行うことができます。例えば、HTTPのリクエストをHTTPSに変換したり、SMTPのメールをPOP3に変換したりすることができます。

プロキシサーバは、企業内のネットワークやインターネット上のサービスなど、さまざまな場面で利用されています。

プロキシサーバには、以下のような種類があります。

  1. ウェブプロキシサーバ
     ウェブプロキシサーバは、ウェブブラウザを使用する場合に特化したプロキシサーバです。ウェブブラウザからのHTTP要求を中継し、インターネット上のサーバに接続します。ウェブフィルタリングなど、ウェブアクセスの制限やモニタリング機能を有することが多いです。
  2. メールプロキシサーバ
     メールプロキシサーバは、電子メールの送受信を中継するためのプロキシサーバです。メールサーバとして機能する場合もあり、メールのフィルタリングやアクセス制限、保護などの機能を有します。
  3. Socksプロキシサーバ
     Socksプロキシサーバは、Socksプロトコルを使用して通信するアプリケーションを中継するためのプロキシサーバです。ブラウザ以外のアプリケーションも対応できるため、より幅広い範囲のアプリケーションに対応することができます。
  4. 透過型プロキシサーバ
     透過型プロキシサーバは、プロキシサーバとしての存在をクライアントに知られずに、通信を中継することができるプロキシサーバです。中継された通信は、クライアントからサーバへ直接送信された場合と同じように処理されます。
  5. リバースプロキシサーバ
     リバースプロキシサーバは、ウェブサーバの前段に配置され、クライアントからのHTTP要求を受信し、内部のウェブサーバに中継します。ウェブサーバの負荷分散やキャッシングなど、ウェブサーバをより高速に稼働させるための機能を有します。