フローのセットアップ

フローのセットアップ

 RSVP(Resource Reservation Protocol)は、ネットワーク上の通信において、特定のフローに対してリソースを確保するためのプロトコルです。以下に、RSVPによるフローのセットアップの流れを説明します。

  1. リソース要求の送信
     通信を行いたいデバイスは、RSVPメッセージを利用して、通信に必要なリソースを要求します。この際、フローに必要なリソースの種類(帯域幅、遅延時間、パケットロス率など)を指定します。
  2. リソース要求の転送
     要求メッセージは、ネットワーク上の各ノードを経由して目的地のノードに到達します。途中のノードでは、要求メッセージに基づいてリソースの予約状況を確認し、利用可能なリソースがある場合は、要求メッセージに含まれるリソース要求を転送します。
  3. リソース確保の応答
     目的地のノードは、リソース要求を受け取った後、必要なリソースが利用可能であることを確認し、要求を承認する応答メッセージを送信します。応答メッセージには、要求されたリソースの情報や、要求されたリソースを確保するためのパス情報などが含まれます。
  4. パスの確立
     目的地のノードから逆方向に、各ノードはパスの確立を行います。途中のノードでは、要求メッセージに含まれるリソース要求に基づいて、リソースを予約するための設定を行います。
  5. 通信の開始
    パスが確立されると、通信が開始されます。通信中は、確保されたリソースを使用することができます。
  6. リソースの解放
    通信が終了すると、各ノードで利用されたリソースは解放されます。これにより、他の通信で利用できるようになります。

 以上が、RSVPによるフローのセットアップの流れです。RSVPは、QoS(Quality of Service)の実現に役立ちます。ネットワーク上の通信が多様化し、より高度なQoSの実現が求められるようになっている現在、RSVPの重要性はますます高まっています。

RSVPは、フローのセットアップだけでなく、QoSの保証にも役立ちます。QoSには、以下のような要素があります。

  • 帯域幅
  • 遅延時間
  • パケットロス率
  • ジッタ

 これらの要素は、通信品質を決定するために使用されます。RSVPは、これらの要素に基づいて、通信に必要なリソースを確保することができます。

RSVPの利点としては、以下のようなものがあります。

  • フローごとにリソースを確保するため、特定のフローの通信品質を保証することができます。
  • フローの通信品質を保証するため、ネットワーク全体の通信品質が向上します。
  • フローの通信品質を保証するため、高度なQoSが実現できます。

一方、RSVPには以下のような欠点もあります。

  • ネットワーク全体でRSVPを利用する必要があり、導入にはコストがかかります。
  • フローごとにリソースを確保するため、ネットワークの帯域幅が制限されます。
  • フローの通信品質を保証するため、ネットワークの負荷が増加し、通信品質が悪化する場合があります。

 これらの利点と欠点を踏まえ、RSVPを導入する場合には、ネットワークの状況や要件に応じて慎重に検討する必要があります。