Application Load Balancer（ALB）

Application Load Balancer（ALB）

Application Load Balancer（ALB）は、AWSの負荷分散サービスの1つで、HTTP/HTTPSトラフィックを分散することができます。ALBは、以下のような特徴を持っています。

1. レイヤー7ロードバランサー
   　ALBは、レイヤー7の負荷分散を行うことができます。このため、HTTP/HTTPSトラフィックをルーティングする際に、アプリケーション層の情報（例：HTTPヘッダー、クエリパラメータなど）を利用することができます。
2. ターゲットグループ
   　ALBは、ターゲットグループという概念を導入しています。ターゲットグループは、ロードバランサーによって受信されたリクエストを転送するEC2インスタンスのグループです。ターゲットグループには、優先度ルーティング、ウェイト付きルーティング、スティッキーセッションなどの機能があります。
3. ルールベースのルーティング
   　ALBは、HTTPヘッダー、クエリ文字列、ホスト名、パスなど、リクエストの様々な要素に基づいてルーティングを行うことができます。また、独自のルールを定義することも可能です。
4. WebSocketサポート
   　ALBは、WebSocket通信をサポートしています。WebSocketは、リアルタイムの双方向通信を可能にするプロトコルであり、ALBを使用することで、WebSocketアプリケーションを実装することができます。
5. SSL/TLS暗号化のサポート
   　ALBは、SSL/TLS暗号化の設定をサポートしています。また、AWS Certificate Managerを使用することで、SSL/TLS証明書の自動取得や更新が可能です。
6. WAFの統合
   　ALBは、AWS WAF（Web Application Firewall）と統合されています。WAFは、Webアプリケーションに対する攻撃を防止するためのセキュリティサービスであり、ALBと組み合わせることで、より高度なセキュリティ対策を実現することができます。

　総合的に、ALBは、高度なルーティング機能やWebSocketサポート、WAFの統合など、多数の機能を提供しています。また、ターゲットグループによって、複数のEC2インスタンスをグループ化し、柔軟なロードバランスや、スケーラビリティを実現することができます。これにより、ALBは、Webアプリケーションやマイクロサービスアーキテクチャに適した負荷分散サービスとして利用されています。

　また、ALBは、CloudWatchやAWS Lambda、Auto ScalingといったAWSのサービスと統合されています。これにより、アプリケーションの監視や、自動スケーリングなどを容易に行うことができます。

　なお、ALBは、Network Load Balancer（NLB）と比較して、より高度なルーティング機能やWebSocketサポート、WAFの統合などを提供していますが、ネットワークレベルの負荷分散には適していません。そのため、NLBとALBを組み合わせて利用することが、より高度な負荷分散環境を構築するための有力な手段として挙げられます。