不正のトライアングル

不正のトライアングル

不正のトライアングル (fraud triangle) とは、不正行為が発生するための3つの要因が揃うことで、不正行為が発生しやすくなるという考え方です。これは、米国の社会心理学者であるドナルド・クレッシー (Donald Cressey) が提唱した概念で、一般的に不正行為を分析するためのモデルとして広く知られています。

不正のトライアングルには、以下の3つの要因が含まれます。

  1. 機会 (Opportunity)
     不正行為を行うための機会が存在することが必要です。例えば、不正な支払いを処理するためのシステムへのアクセス権限が与えられている場合や、不正行為を隠蔽するための手段が存在する場合などが挙げられます。
  2. 動機 (Motive)
     不正行為を行う動機が存在することが必要です。例えば、個人的な利益や、職場でのストレスや不満、社会的地位の向上などが挙げられます。
  3. 合理化 (Rationalization)
     不正行為を正当化するための理由や言い訳が存在することが必要です。例えば、「会社が私を十分に評価していないから、自分で報酬を上げる必要がある」といった自己正当化や、「会社には何か得をしているし、やっていることは間違っていない」といった社会正当化が挙げられます。

 これらの3つの要因が揃うことで、不正行為が発生しやすくなります。企業や組織では、これらの要因をできるだけ排除することで、不正行為を未然に防止するための対策が取られます。

 不正のトライアングルは、3つの個人または企業が協力して詐欺行為を行うことを指します。これは、1人の人物または企業が被害者に対して支払いを行うことを約束し、その代わりに2人の他の人物または企業に一部の支払いを行うことで行われます。これにより、被害者は支払いを行い、2人の他の人物または企業がそのお金を受け取ります。しかし、最初の人物または企業は支払いを行わずに逃げ出すことができます。これにより、2人の人物または企業が残りの支払いを受け取り、被害者が損失を被ることになります。

 不正のトライアングルは、詐欺行為の形態の1つであり、オンライン詐欺や投資詐欺などでよく見られます。被害者が支払いを行う前に、情報や背景の確認を行うことが大切です。また、不審な情報や取引については、警察や金融機関に報告することも重要です。