フェールオーバー

フェールオーバー

 「フェールオーバー」とは、コンピュータやネットワークなどのシステムにおいて、障害が発生した場合に、代替のシステムに自動的に切り替わる機能のことを指します。つまり、障害が発生した場合でも、システムの可用性を維持するための仕組みとして用いられます。

 例えば、サーバーの場合、複数のサーバーを冗長化させ、メインサーバーに障害が発生した場合は、自動的にバックアップサーバーに切り替えることで、システムの可用性を確保することができます。また、ネットワーク機器の場合には、複数のルーターを用意し、メインルーターに障害が発生した場合は、自動的にバックアップルーターに切り替わることで、ネットワークの可用性を確保することができます。

 フェールオーバーは、システムに障害が発生した場合に、人の介入なしで自動的に切り替わるため、システムの可用性を維持するための負荷分散や冗長性を高めることができます。ただし、システムの構成や設定によっては、正しく動作しないことがあるため、システム設計や構成時に注意が必要です。また、フェールオーバーが発生した場合には、切り替えによってシステムが停止する短時間の間、サービスが利用できなくなることがあるため、その影響を最小限に抑えるための対策も必要となります。

 フェールオーバーは、高可用性を実現する上で重要な機能であり、多くのシステムやサービスで利用されています。具体的には、以下のような場面で利用されます。

  1. サーバークラスターの構成 複数のサーバーをクラスター化し、障害が発生した場合に自動的に他のサーバーに切り替えることで、システムの可用性を高めることができます。
  2. ネットワーク機器の設定 ネットワーク機器においては、複数の機器を冗長化させ、メイン機器に障害が発生した場合には、自動的にバックアップ機器に切り替えることで、ネットワークの可用性を高めることができます。
  3. クラウドサービスの利用 クラウドサービスにおいても、フェールオーバーが利用されています。例えば、AWSでは、マルチアベイラビリティーゾーン構成を採用し、障害が発生した場合に自動的に他のアベイラビリティーゾーンに切り替えることで、システムの可用性を高めています。
  4. データベースクラスターの構成 複数のデータベースサーバーをクラスター化し、障害が発生した場合に自動的に他のサーバーに切り替えることで、データの可用性を高めることができます。

上記のように、フェールオーバーは、システムやサービスの可用性を高めるために必要不可欠な機能であるといえます。