バックアップポート

バックアップポート

 RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)は、スイッチングネットワークにおいて冗長性を確保するために使用されるプロトコルの1つであり、ブリッジループを回避するためにスパニングツリーアルゴリズムを実装しています。RSTPでは、ルートブリッジが選出され、各セグメントの最も優先度の高いブリッジがデザイン化されたポートを持ちます。しかしながら、予期しない障害が発生した場合には、他のポートを使用して通信を維持する必要があります。そのような状況において、バックアップポートが役立ちます。

 バックアップポートは、RSTPブリッジにおいて、アクティブポートがダウンした場合に通信を引き継ぐために使用されるポートです。アクティブポートは、各セグメントに1つだけ存在し、ルートブリッジへの最短パスを持ちます。バックアップポートは、アクティブポートがダウンすると、それに代わってデータフローを処理します。

 RSTPでは、ブロッキング状態からアクティブ状態に遷移するまでに、通常のSTPよりも高速に動作するため、ネットワークの冗長性と可用性が向上します。また、バックアップポートによって、ネットワークの可用性が更に向上することができます。

RSTPでは、バックアップポートは、以下のような2つの役割を持っています。

  1. フェイルオーバー アクティブポートが故障した場合、バックアップポートは自動的にアクティブになり、通信を引き継ぎます。これにより、ネットワーク上の冗長性が確保され、通信の途切れを最小限に抑えることができます。
  2. ポート冗長化 RSTPでは、各セグメントに1つのアクティブポートが設定されます。バックアップポートは、セグメントに存在する他のすべてのポートと同様に、ブロッキング状態に設定されます。これにより、冗長性が確保され、ネットワークの可用性が向上します。

 ただし、バックアップポートがアクティブポートになった場合、セグメント上にループが発生する可能性があります。このため、RSTPでは、ポートの状態を監視し、ループを検出して適切に処理することで、ネットワークの安定性を保ちます。