トリガードアップデート

トリガードアップデート

 トリガードアップデート(Triggered Update)とは、ルーティングプロトコルにおいて、ネットワークトポロジーに変更が生じた場合に、その変更情報をできるだけ早く他のルーターに通知するための手段の1つです。

 ルーティングプロトコルでは、ルーター同士が定期的にルーティング情報を交換し、最適な経路を計算します。しかし、ネットワークのトポロジーが変化した場合には、すぐに最適な経路を再計算する必要があります。このとき、トリガードアップデートが使用されます。

 トリガードアップデートは、変更が生じたルーターが、自身の変更情報を直ちに他のルーターに通知する仕組みです。変更が生じたルーターは、変更情報を含むパケットを直ちに送信し、他のルーターはそれを受信することで、最適な経路の再計算を行います。

 トリガードアップデートは、ルーティングプロトコルの性能を向上させるために重要な役割を担っています。変更情報を直ちに通知することで、ネットワークのトポロジーの変化に迅速に対応できます。しかし、トリガードアップデートが頻繁に発生すると、ルーター同士の通信量が増加し、ネットワークの負荷が増加する可能性があります。そのため、トリガードアップデートの発生頻度を適切に制御することが重要です。

 また、トリガードアップデートは、ルーティングループ(ルーティングテーブルのエントリーが互いに参照し合うことにより、情報の取得や送信が無限ループに陥る状態)を防止するためにも重要です。ルーティングループが発生すると、ネットワークの通信が混乱し、正しく通信できなくなってしまうため、トリガードアップデートによりループを防止することが求められます。

 ただし、トリガードアップデートは、通常のルーティングアップデートよりも通信量が多くなるため、ネットワークの負荷が増加する可能性があります。また、ルーター同士の通信量が多くなるため、ネットワークの速度低下や遅延が発生する場合があります。そのため、トリガードアップデートを適切に設定することが重要です。