電磁波解析攻撃

電磁波解析攻撃

 電磁波解析攻撃とは、電磁波を用いて情報を盗み取る攻撃手法のことです。この攻撃手法は、機密情報が伝送される電線、通信線、キーボードなどの物理的な機器から発生する電磁波を傍受して、その波形を解析することで、情報を盗み出す方法です。

 具体的には、攻撃者は、無線受信機やアンテナを用いてターゲットの機器から発生する電磁波を傍受し、その波形を解析して、情報を復元します。この攻撃手法は、特定の周波数帯域でのみ有効であるため、攻撃者は対象となる周波数帯域を事前に調査する必要があります。

 電磁波解析攻撃は、電子機器に内蔵された暗号化機能によって保護された情報でも有効であり、非常に高度な技術を必要としますが、その分、盗み取った情報の精度が高く、セキュリティリスクも大きいとされています。

 このような攻撃に対しては、電磁波シールドを用いたり、電磁波の発生源を遮蔽することで対策を行うことができます。また、物理的に接続された通信線を暗号化することで、電磁波解析攻撃に対するセキュリティを強化することができます。

 さらに、電磁波解析攻撃は、非接触型の攻撃であるため、ターゲットとなる機器に物理的なアクセスが必要ないことが特徴的です。そのため、監視カメラやATM、セキュリティシステム、スマートフォン、IoTデバイスなど、様々な機器に対する攻撃手法として懸念されています。

 また、電磁波解析攻撃は、政府機関や軍事機関、企業などでの情報漏洩事件に関わっていることが報告されており、セキュリティ上のリスクとして注視されています。

 最近では、電磁波解析攻撃に対する対策として、電磁波を遮断する素材を使った電磁波シールドの開発や、電磁波を乱すジャミング技術の研究などが進んでいます。また、暗号化技術の発展によって、暗号化された情報を盗み出すことが難しくなることが期待されています。