タグVLAN

タグVLAN

 VLAN (Virtual LAN) とは、物理的なネットワーク上で論理的に複数のネットワークを作り出す技術のことです。一方、Tag VLAN は、VLAN に加えてタグを用いてネットワーク上で複数の仮想ネットワークを作り出す技術のことです。

 Tag VLAN では、Ethernet ヘッダの 802.1Q フィールドにタグを挿入することで、複数の VLAN に対応することができます。具体的には、送信元ホストから送信されたフレームに VLAN ID をタグとして付加して、ネットワーク上で複数の VLAN を識別することができます。これにより、物理的なネットワークインフラストラクチャを効率的に利用しつつ、複数の仮想ネットワークを構築することができます。

 Tag VLAN は、複数の VLAN を利用するネットワークにおいて、複数の VLAN ID が混在する場合に有効です。例えば、企業内で複数の部署が別々の VLAN を利用するネットワークを構築したい場合には、Tag VLAN を利用することで、一つの物理的なネットワークインフラストラクチャを共有しつつ、各部署ごとに VLAN を設定することができます。

 一方、Tag VLAN のデメリットとしては、VLAN ID をタグとして挿入するため、フレームのサイズが大きくなるという点が挙げられます。また、タグを解釈できる機器が必要であるため、機器の設定や管理が複雑になる場合があります。

タグVLANの設定には以下の手順があります。

  1. タグVLANを利用するスイッチを選定する タグVLANを利用するには、設定ができるスイッチが必要です。スイッチの機種や機能によっては、タグVLANに対応していないものもありますので、事前に確認が必要です。
  2. タグVLANに割り当てるVLAN IDを決定する タグVLANを使用する場合、複数のVLANを一つの物理ポートで扱えます。その際に、どのVLANに所属するかを判断するためにVLAN IDを指定します。VLAN IDは12ビットの範囲で、1~4094の範囲から任意の番号を指定することができます。
  3. タグVLANの設定を行うポートを決定する タグVLANを設定するポートを決定します。タグVLANを利用する場合、接続する機器がタグVLANに対応している必要があります。
  4. タグVLANの設定を行う ポート毎にタグVLANを設定します。具体的には、以下のような設定を行います。
  • ポートをタグVLAN化するかどうかの設定
  • VLAN IDの指定
  • ポートに割り当てるタグVLANの指定

以上の手順を踏むことで、タグVLANを利用することができます。