蓄積交換

蓄積交換

 ネットワークにおいて、蓄積交換(ストアアンドフォワード)は、データ転送方式の一つです。蓄積交換では、データを一旦受信し、一定のバッファリングを行った後に転送することで、正確な転送が保証されます。以下では、蓄積交換の特徴や仕組みについて詳しく説明します。

蓄積交換の特徴

蓄積交換の主な特徴は、以下の通りです。

  • データを一旦受信し、一定のバッファリングを行った後に転送することで、正確な転送が保証されます。
  • パケットが受信されるまで、次のパケットが送信されないため、パケットの到着順序が保証されます。
  • 転送先が一時的にオフラインになった場合でも、バッファリングされたデータを保持しておくことができるため、再接続後にデータを転送することができます。
蓄積交換の仕組み

 蓄積交換は、ネットワーク機器の中継装置であるスイッチやルータで使用されます。以下では、スイッチを例にして、蓄積交換の仕組みについて説明します。

  1. フレームの受信

 スイッチは、ネットワーク上を流れるフレームを受信します。フレームは、送信元MACアドレス、宛先MACアドレス、タグ(VLAN IDなど)、フレームデータなどで構成されます。

  1. バッファリング

 スイッチは、フレームを一時的にバッファに格納します。バッファには、一定量のデータを格納することができます。バッファがいっぱいになると、後続のパケットはドロップされることがあります。

  1. 宛先MACアドレスの学習

 スイッチは、フレームの宛先MACアドレスを学習します。学習した宛先MACアドレスをもとに、フレームを転送するポートを決定します。スイッチは、学習した宛先MACアドレスをMACアドレステーブルに登録します。

  1. 転送

スイッチは、学習した宛先MACドレスをもとに、フレームを転送するポートを決定します。ポートが決定されたら、蓄積交換によりフレームを一旦バッファリングします。

  1. バッファからの転送

 フレームがバッファに格納されると、スイッチはCRCチェックを行います。CRCチェックに合格した場合、フレームが転送されます。CRCチェックに失敗した場合、フレームは破棄されます。

  1. 転送先のスイッチの決定
  2. スイッチが複数ある場合、フレームの宛先MACアドレスをもとに、次のスイッチを決定します。決定したスイッチのポートにフレームを転送します。
  1. 転送先スイッチでの繰り返し

上記の手順を繰り返し行い、フレームが宛先に到達するまで、スイッチを経由して転送されます。

 蓄積交換は、正確な転送が必要なアプリケーションや、ネットワークに混雑が起きやすい場所で使用されます。ただし、バッファリングによる遅延が発生するため、リアルタイム性が重要なアプリケーションには適していません。