楕円曲線暗号

楕円曲線暗号

 楕円曲線暗号 (Elliptic Curve Cryptography, ECC) は、公開鍵暗号方式の一種であり、ディフィー・ヘルマン鍵交換や電子署名などのセキュリティプロトコルに使用されます。

 楕円曲線は、2次方程式 y^2 = x^3 + ax + b の形式で表される曲線であり、a, b の値によって形状が異なります。楕円曲線暗号は、この曲線上で定義された加算・乗算などの演算を用いて鍵を生成し、暗号化や復号に用います。

 楕円曲線暗号は、RSA暗号などの従来の公開鍵暗号方式と比較して、同じレベルの安全性を確保するために必要な鍵の長さが短くて済むことが特徴です。そのため、同じセキュリティレベルを維持しつつ、より軽量な暗号化が可能であるとされ、特にモバイル端末やスマートカードなどのリソースが限られた環境での暗号化に適しています。

 また、楕円曲線暗号は量子コンピュータによる攻撃にも耐性があるため、今後の暗号技術の主流となる可能性があるとされています。