ストライピング

ストライピング

 ストライピングは、複数の物理ディスクを一つの論理ディスクとして結合するディスクアレイの一つの方式です。ネットワークにおいては、データ転送において、データを複数のパケットに分割して、それらのパケットを複数のリンクに分散して転送することをストライピングと呼びます。

 ストライピングは、データ転送の高速化を実現するために広く用いられています。複数のリンクを使用することで、トラフィックが複数のリンクに分散され、帯域幅を増やすことができます。ストライピングにより、ネットワークのパフォーマンスを向上させることができます。

 ただし、ストライピングにはいくつかのリスクがあります。データが複数のリンクに分散されるため、あるリンクが故障すると、データが欠落したり、再送要求が発生したりする可能性があります。また、リンクが一方的に負荷された場合、そのリンクの帯域幅がボトルネックになり、パフォーマンスが低下する可能性があります。

 ストライピングには、RAIDレベル0という方式があります。RAIDレベル0では、複数の物理ディスクを結合し、ストライピングによって一つの論理ディスクを作成します。この論理ディスクは、データを分割して、複数の物理ディスクに分散して保存します。RAIDレベル0は、データストレージの性能を向上させることができますが、ディスク故障によるデータ損失リスクがあります。そのため、RAIDレベル0は、バックアップなどのデータ保護策と併用されることが一般的です。

 ネットワークにおけるストライピングでは、異なるリンク間でデータを分割し、複数のパケットに分散して送信します。これにより、帯域幅を最大限に活用し、ネットワークのパフォーマンスを向上させることができます。また、ストライピングは、リンクの冗長性を高めることもできます。たとえば、冗長リンクを設け、いずれかのリンクが故障した場合に備えることができます。

 しかし、ストライピングは、すべてのリンクが同等の性能を持っていることが前提となります。リンクの中で帯域幅の制限がある場合、ネットワークのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。また、複数のパケットが異なるリンクを通過するため、遅延が生じる可能性があります。そのため、ストライピングは、ネットワークの設計と運用において、慎重に取り扱う必要があります。