ストア&フォワード方式

ストア&フォワード方式

 ストア&フォワード方式は、ネットワークスイッチングの方法の一つで、パケットを受信したスイッチが一時的にパケットをバッファリングして、全体のパケットを受信し終わった後にパケットを転送する方式です。

 この方式では、パケットの受信が完了するまで転送を遅延させるため、転送に必要な情報(ヘッダなど)が揃ってからパケットを転送することができます。そのため、パケット転送においてエラーの発生を防ぐことができます。

 ストア&フォワード方式は、他のスイッチング方式に比べて転送時間が遅くなるため、高速なネットワーク環境での利用には不向きですが、転送におけるエラーを防止できるため、高い信頼性が求められるネットワークには適しています。

 ストア&フォワード方式では、パケットのフレーム長やデータの形式をチェックし、誤ったパケットがネットワーク上に流れないようにすることができます。また、パケットのフロー制御により、ネットワーク上での混雑を防止することができます。

 ストア&フォワード方式は、一部の低コストのイーサネットスイッチにおいて採用されている方式ですが、高速なネットワーク環境においては、より高速なスイッチング方式が求められます。

 ストア&フォワード方式では、パケットを受信したスイッチは、パケットのヘッダ情報を読み取り、宛先MACアドレスを確認します。その後、送信先のポートを特定し、パケットを転送します。

 この方式は、パケットを受信したスイッチがパケットの全体を受信し、ヘッダ情報を解析することで、パケットの形式やフレーム長に問題がないかを確認します。このため、エラーの発生を防ぎ、信頼性が高いという特徴があります。ただし、全体のパケットを受信し終わってから転送を行うため、パケットの転送時間が他の方式に比べて長くなる可能性があります。

 ストア&フォワード方式には、検査と転送の2つのフェーズがあります。まず、スイッチがパケットを受信すると、フレームのヘッダを読み取り、検査フェーズに入ります。検査フェーズでは、パケットのフレーム長、CRC(Cyclic Redundancy Check)値、タグなどのエラーを検出するためのチェックが行われます。このフェーズでエラーが検出された場合、スイッチはパケットを破棄します。

 次に、スイッチは、パケットの宛先MACアドレスを解決し、転送フェーズに入ります。このフェーズでは、パケットを転送するための出力ポートを選択します。スイッチは、MACアドレステーブルを使用して、宛先MACアドレスに対応する出力ポートを決定します。その後、パケットを出力ポートに転送し、次のスイッチやネットワークデバイスに送信されます。

 ストア&フォワード方式は、ネットワーク上でのパケット転送の信頼性を高めることができますが、転送速度が遅いため、高速なネットワークでの使用には向いていません。また、ストア&フォワード方式は、スイッチのポート数が少ない場合には有効であるが、ポート数が多くなるとスイッチングコストが高くなるという欠点があります。