スライディングウィンドウ

スライディングウィンドウ

 TCP(Transmission Control Protocol)は、インターネット上でデータを送受信するためのプロトコルの1つです。TCPは信頼性の高いデータ転送を実現するために、スライディングウィンドウという仕組みを採用しています。

 スライディングウィンドウは、送信側と受信側の間で使用されます。送信側は、一度に送信できるデータ量を制限し、受信側は、受信可能なデータ量を通知することで、過剰なデータ転送を防ぎます。

具体的には、送信側は、ウィンドウサイズというパラメータを設定します。ウィンドウサイズは、一度に送信できるデータ量の上限を表します。受信側は、受信可能なバッファサイズを通知します。受信側がウィンドウサイズを通知することで、送信側は、一度に送信できるデータ量を調整することができます。

 送信側は、ウィンドウサイズを超えないデータを送信し、受信側は、受信可能なバッファサイズを超えないようにデータを受信します。送信側が送信したデータが正常に受信された場合は、ウィンドウサイズを増やして、一度に送信できるデータ量を増やすことができます。一方、受信側が正常に受信したデータを通知することで、送信側は、未送信のデータを再送信することができます。

 このように、スライディングウィンドウを使用することで、TCPは信頼性の高いデータ転送を実現することができます。しかし、ウィンドウサイズやバッファサイズの設定によって、データ転送速度が低下する場合があるため、最適なパラメータ設定が求められます。

また、スライディングウィンドウには、以下の3つの要素があります。

  1. バッファー 送信側が送信するデータを保持する領域です。バッファサイズは、送信側が一度に送信することができるデータ量を制限します。
  2. ウィンドウサイズ 送信側が一度に送信することができるデータ量を表します。ウィンドウサイズは、送信側が受信側からのACK(Acknowledgment)を待つ間に送信できるデータ量を制限します。
  3. ACK 受信側が送信側に送信する通知です。ACKによって、受信側は正常に受信したデータの範囲を通知し、送信側は未送信のデータを再送信することができます。

 スライディングウィンドウは、TCPの信頼性を高めるために重要な役割を果たしています。しかし、ウィンドウサイズやバッファサイズの設定が適切でない場合、データ転送速度が低下する可能性があります。そのため、ネットワーク状況に合わせて、最適なパラメータ設定が必要です。