スケールアウト

スケールアウト

スケールアウトとは、システムの処理能力を拡張するために、複数のコンピューターを追加してシステムを構築する手法のことを指します。

 システムの処理能力を拡張するためには、システムに新しいリソースを追加する必要があります。これを実現する方法として、スケールアウトがあります。スケールアウトを行うことで、システムの処理能力をより柔軟に拡張することができます。

スケールアウトは、大きく分けて以下の2つの方法があります。

  1. 垂直スケールアウト:システムに新しいリソースを追加することで、システムの単一のノードの処理能力を拡張する方法です。例えば、CPUやメモリなどのリソースを追加することで、システムの処理能力を向上させます。ただし、垂直スケールアウトでは、限界があるため、コストやリスクが高くなる場合があります。
  2. 水平スケールアウト:システムに新しいノードを追加することで、システム全体の処理能力を拡張する方法です。複数のノードが協調して処理を行うため、システムのスケーラビリティが向上します。また、ノードを必要に応じて追加できるため、柔軟な拡張が可能です。ただし、複数のノードを管理する必要があるため、管理コストが増加する場合があります。

スケールアウトを実現するためには、以下のような技術や手法が用いられます。

  1. 分散処理技術:システムの処理を複数のノードに分散させる技術です。例えば、MapReduceやHadoopなどの分散処理フレームワークがあります。
  2. ロードバランシング:トラフィックを複数のノードに分散させることで、負荷を均等に分散する技術です。例えば、ネットワークロードバランサやDNSロードバランサなどがあります。
  3. クラスタリング:複数のノードをクラスター化し、単一の仮想システムとして処理する技術です。クラスタリングにより、複数のノードが協調して処理を行うことで、システムの可用性やスケーラビリティが向上します。例えば、KubernetesやDocker Swarmなどのコンテナオーケストレーションツールがあります。
  4. フェイルオーバー:システムの障害に対して、別のノードに自動的に切り替える技術です。例えば、クラスタリングやロードバランシングなどが用いられます。
  5. ストレージのスケールアウト:データの量が増加した場合に、ストレージ容量を拡張する技術です。例えば、ストレージアレイや分散ファイルシステムなどがあります。

 スケールアウトを実現することで、システムはより高い処理能力や可用性を持つようになります。また、スケールアウトはクラウドコンピューティングにおいても重要な技術であり、クラウドベンダーはスケールアウトが容易にできるようなサービスを提供しています。