サイドチャネル攻撃

サイドチャネル攻撃

 サイドチャネル攻撃(Side-channel attack)とは、暗号化や認証システムなどの暗号化技術に対して、暗号化のプロセスに関する情報を利用することで、秘密鍵や暗号文を解読する攻撃手法です。

 サイドチャネル攻撃は、暗号化のプロセスを実行する際に発生する電力消費量、電磁波放射、温度変化、時間の経過などの「側面(Side-channel)」から情報を収集し、暗号化に使用される秘密鍵や暗号文を推測することができます。

 たとえば、電力消費量を測定することによって、暗号化に使用される鍵のビットパターンを推測することができます。暗号化に使用される鍵がビットごとに1と0が交互に出現する場合、0ビットの時には電力消費量が小さくなり、1ビットの時には電力消費量が大きくなるという特徴があります。このように、電力消費量の変化を観察することで、鍵のビットパターンを推測することができます。

 また、温度変化を観察することによって、暗号化に使用される鍵のビット列の一部を推測することができます。暗号化に使用される鍵の特定のビット列に対して多くの電力が消費される場合、その箇所の温度が上昇することがあります。そのため、特定の箇所で温度変化を観察することで、鍵の一部を推測することができます。

 サイドチャネル攻撃は、物理的な情報を収集する必要があるため、攻撃者は暗号化に使用される機器にアクセスできる必要があります。例えば、スマートカードやATMのような物理的な機器に対して、サイドチャネル攻撃が行われることがあります。