サービスタイプ

サービスタイプ

一般的に、ネットワークのサービスタイプは以下のように分類されます。

  1. ベストエフォート型サービス ベストエフォート型サービスは、ネットワークの転送能力に応じてデータ転送を行うもので、データの到着時間や品質は保証されません。一般的に、インターネット接続などの一般的なネットワーク接続に使用されます。
  2. リアルタイム型サービス リアルタイム型サービスは、データの到着時間や品質が保証されるもので、主に音声や動画などのリアルタイム通信に使用されます。例えば、VoIP(Voice over IP)通話やストリーミング動画配信などが挙げられます。
  3. クラス型サービス クラス型サービスは、異なる優先度のトラフィックに異なるサービスレベルを提供するもので、QoS(Quality of Service)制御によって実現されます。例えば、重要なデータ転送に高い優先度を与えることができます。
  4. セキュリティ型サービス セキュリティ型サービスは、ネットワーク上での通信のセキュリティを確保するために使用されます。例えば、ファイアウォールやVPN(Virtual Private Network)などが挙げられます。
  5. ストレージ型サービス ストレージ型サービスは、データの保存やバックアップなどのストレージに関連するサービスです。例えば、クラウドストレージやオンラインバックアップなどが挙げられます。

 これらのサービスタイプは、それぞれの目的に応じて異なる特性を持ちます。ネットワークを設計する際には、どのようなサービスを提供するかを考慮して、適切なネットワーク機器やプロトコルを選択する必要があります。

IPヘッダ サービスタイプ 

 IPヘッダのサービスタイプフィールドは、インターネットプロトコル(IP)パケットのヘッダに含まれる8ビットフィールドで、ネットワークでのパケットの処理方法を示します。

サービスタイプフィールドは、以下の3つのビットを持ちます。

  • 優先度:IPパケットがネットワーク内を移動するときに、どの程度優先的に扱われるべきかを示します。これにより、高速な通信を必要とするアプリケーション(例えば音声やビデオ)に優先的に処理を行うことができます。
  • 遅延:IPパケットが到着するまでにどの程度時間がかかるかを示します。これにより、リアルタイムのアプリケーションに適した通信ルートを選択することができます。
  • スループット:IPパケットの輸送に必要な最小スループットを示します。これにより、帯域幅の限られたリソースを必要とするアプリケーション(例えばファイル転送)に適した通信ルートを選択することができます。

これらの3つのビットは、それぞれ2ビットずつを使用して表されます。たとえば、優先度を表す最初の2ビットは、以下のようになります。

  • 00:標準(デフォルト)優先度
  • 01:優先度の高いトラフィック
  • 10:優先度の低いトラフィック
  • 11:予約済み

 サービスタイプフィールドは、ネットワークのトラフィック管理に役立ちます。しかし、最近のネットワークでは、フロー制御や品質保証(QoS)などの高度な技術が使用されるため、サービスタイプフィールドの重要性は低下しています。