事前共有鍵

事前共有鍵

ネットワークにおいて、暗号化通信を行うために使用される鍵には、事前共有鍵と公開鍵暗号があります。

 事前共有鍵(Pre-Shared Key: PSK)は、通信を行う前に通信相手間であらかじめ共有しておく鍵です。通信を行う前に、通信相手間で暗号化に使用する鍵を共有しておくことで、通信内容を暗号化することができます。

 PSKは、設定が簡単で、高速に暗号化が行えるため、小規模なネットワークやVPN(Virtual Private Network)のような閉鎖的な環境においてよく使われています。一方で、鍵を共有するために安全に配布する必要があり、鍵が漏洩すると暗号化通信が崩壊する可能性があるため、大規模なネットワークやインターネット上の通信には、公開鍵暗号がよく用いられます。

 例えば、無線LANにおいて、WPA-PSK(Wi-Fi Protected Access Pre-Shared Key)という暗号化方式があります。WPA-PSKは、事前に共有された鍵を使用して、無線LAN上での通信内容を暗号化します。事前共有鍵は、ルーターなどのアクセスポイントとクライアント間で共有することで、セキュアな通信を実現します。