最長一致法

最長一致法

 最長一致法(Longest Match, Longest Prefix Match)とは、ネットワークのルーティングにおいて、パケットの宛先アドレスとルーティングテーブルのエントリーを比較し、最も長いマッチするプレフィックス(接頭辞)を持つエントリーを選択する方法です。

 ルーティングテーブルには、宛先アドレスとそれに対応するネクストホップ(次のルーターのアドレス)の情報が記載されています。最長一致法では、パケットの宛先アドレスの先頭から、ルーティングテーブルのエントリーに記載されたプレフィックスと一致するビット数を比較し、最も長い一致するプレフィックスを持つエントリーを選択します。

たとえば、次のようなルーティングテーブルがあったとします。

ネットワークアドレス   ネクストホップ
192.168.0.0/24       10.0.0.1
192.168.0.0/16       10.0.0.2
192.168.1.0/24       10.0.0.3

 この場合、パケットの宛先アドレスが192.168.0.1の場合、最長一致法によって192.168.0.0/24にマッチします。一方、パケットの宛先アドレスが192.168.1.1の場合は、192.168.1.0/24にマッチします。

 最長一致法は、ネットワークのスケーラビリティを向上させるために重要な役割を果たします。特に、大規模なネットワークでは、膨大な数のルーティングテーブルエントリーを効率的に処理するために、最長一致法が必要となります。

 最長一致法は、IPルーティングプロトコルの一つであるOSPF(Open Shortest Path First)やBGP(Border Gateway Protocol)など、多くのルーティングプロトコルで使用されています。