指数分布

指数分布

 指数分布(Exponential distribution)は、連続的な確率分布の一種であり、ポアソン分布と密接に関連しています。指数分布は、単位時間あたりの事象が発生する間隔を表す確率分布としてよく用いられます。

 指数分布は、確率密度関数 f(x) = λe^(-λx) で表されます。ここで、λはパラメーターであり、単位時間あたりの平均発生率を表します。xは、事象が発生する間隔を表す変数です。

 指数分布の特徴は、無記憶性(Memorylessness)と呼ばれる性質です。無記憶性とは、ある事象が発生してから次の事象が発生するまでの時間が、すでに過ぎた時間に依存しないという性質です。つまり、指数分布に従って発生する事象は、どれだけ時間が経過したかにかかわらず、次に事象が発生するまでの時間が同じ確率分布に従うということです。

 指数分布は、ポアソン分布と同様に、イベントの到着率や待ち時間などの確率を表すために使用されます。具体的には、以下のような分野で利用されています。

  • トラフィック工学:ネットワークのトラフィック量や通信速度を予測するために使用されます。
  • キュー理論:キューの待ち時間を予測するために使用されます。
  • システム解析:システムの可用性や故障率を予測するために使用されます。

指数分布は、確率分布の中でも基本的な分布の1つであり、幅広い分野で応用されています。

指数分布のグラフは、以下のようになります。

 横軸は、事象が発生する間隔(x)を表し、縦軸は確率密度(f(x))を表します。λの値が大きくなると、グラフのピークが左に寄り、事象がより短い間隔で発生するようになります。逆に、λの値が小さくなると、グラフのピークが右に寄り、事象がより長い間隔で発生するようになります。また、指数分布は、0から∞までの範囲で定義されています。