コリジョンドメイン

コリジョンドメイン

 ネットワークにおいて、コリジョンドメイン (collision domain) は、同じ物理的なネットワーク上でデータ送信を行うデバイスが衝突する可能性がある領域のことを指します。つまり、同じコリジョンドメイン内にいるデバイス同士が同時にデータを送信すると、データが衝突して正常に通信ができなくなる場合があります。

 コリジョンドメインは、ハブやリピーターなど、物理層で動作するデバイスによって形成されます。これらのデバイスは、複数のデバイス間の通信を制御せず、単に受信した信号を全てのデバイスに送信するため、同じコリジョンドメイン内のデバイス同士は衝突する可能性があります。

 一方で、スイッチングハブやルーターなどのデバイスは、データをフレームごとに分割して送信し、転送先を選択することができるため、異なるコリジョンドメインを形成することができます。これにより、同じ物理的なネットワーク上でも複数のコリジョンドメインを形成し、衝突を回避することができます。

 コリジョンドメインの境界は、物理的なネットワーク構成によって異なります。通常は、ハブやリピーターに接続されたデバイスは同じコリジョンドメインに属し、スイッチングハブやルーターなどのデバイスを介して接続されたデバイスは異なるコリジョンドメインに属します。ネットワークの設計や構成によって、コリジョンドメインの数や大きさを適切に制御することが重要です。