国際化ドメイン名

国際化ドメイン名

 国際化ドメイン名(IDN)は、Unicode文字セットの一部である非ラテン文字(アラビア語、ヘブライ語、日本語、韓国語、中国語など)を使用して、インターネットのドメイン名を表現するための仕組みです。これにより、世界中の人々が自分の言語でドメイン名を入力することができます。

 従来のドメイン名は、英数字のみを使用しているため、非ラテン文字のドメイン名を使用するには、それらをASCIIコードに変換する必要がありました。しかし、IDNを使用することにより、ネイティブ言語を使用して、より自然な形でドメイン名を表現することができます。

 IDNを使用すると、同じ言語で書かれた異なるアルファベットの場合でも、同じドメイン名を表現することができます。たとえば、日本語の「こんにちは」と英語の「hello」は、それぞれ異なるアルファベットを使用していますが、IDNを使用すると、それぞれ「こんにちは」と「hello」のドメイン名を表現することができます。

 IDNを使用する場合、ドメイン名は通常のASCII文字の前に「xn--」という接頭辞を付けたACE(ASCII Compatible Encoding)形式に変換されます。これにより、IDN対応のシステム以外でも、ACE形式を使用してドメイン名を解決することができます。

 IDNの普及に伴い、インターネット上の多言語化が進んでいます。ただし、IDNはASCIIコードのドメイン名とは異なる仕組みであるため、セキュリティ上の懸念があります。悪意のある第三者が、似たようなIDNを使用して、偽のWebサイトを作成し、ユーザーから情報を盗むことができるためです。そのため、IDNの実装には注意が必要です。