協定世界時

協定世界時

 協定世界時(Coordinated Universal Time、UTC)は、世界中の時刻を協定した基準によって定めた時間のことを指します。UTCは、国際原子時(TAI)との時差を1秒以内に収めるように調整されており、地球上のあらゆる場所で同じ時間を示すことができます。

 UTCは、1972年に導入された国際標準時(GMT)に代わる形で制定されました。GMTは、英国グリニッジ天文台を通過する経度の時刻を基準にしていたため、UTCの方がより正確な時間を示すことができるようになりました。

 UTCは、ネットワークにおいても広く使用されており、インターネットプロトコルにおけるタイムスタンプなどに利用されています。また、GPSなどの衛星測位システムでも、UTCを基準にして現在位置を計算するため、広く利用されています。

 なお、UTCと協定世界時の呼称は同じですが、時刻の表現方法によって微妙な違いがあります。UTCは、原子時と同じく、秒単位で時間を表現するため、必ずしも60秒で1分、60分で1時間というように換算されるわけではありません。一方、協定世界時は、時・分・秒の表記方法にGMTと同じルールを採用しており、60秒で1分、60分で1時間というように換算された時間を示します。