仮想回線

仮想回線

 ネットワークにおいて、仮想回線とは、物理的な回線を使用することなく、論理的に2つのネットワークデバイス間でデータ通信を行うことができる仮想的な通信路のことを指します。

 具体的には、インターネット上でVPN(Virtual Private Network)を構成する場合などに利用されます。VPNでは、インターネット上でセキュアな通信を行うために、仮想回線を使用して通信を暗号化することができます。

 また、仮想回線は、複数のデータ通信を同時に行うことができ、物理的な回線よりも柔軟な通信ルートを設定することができます。ただし、仮想回線は物理的な回線に比べて速度が遅くなる可能性があります。

仮想回線には、主に以下の2種類があります。

  1. イーサネット仮想回線 (Ethernet Virtual Circuit, EVC)

イーサネット仮想回線は、イーサネットフレームを使用して仮想回線を構成する方式です。EVCは、異なるVLAN(Virtual Local Area Network)間での通信に使用され、異なる物理的なイーサネットスイッチ間で仮想的な接続を確立することができます。

  1. MPLS仮想回線 (Multiprotocol Label Switching Virtual Circuit, MPLS VC)

 MPLS仮想回線は、MPLS技術を使用して仮想回線を構成する方式です。MPLS仮想回線は、異なる物理的なネットワーク間での通信に使用され、異なるプロトコル間で仮想的な接続を確立することができます。

 仮想回線は、物理的な回線を使用しないため、導入コストが低く、ネットワークの柔軟性を高めることができます。また、複数の通信を同時に行うことができるため、ネットワークの効率を向上させることができます。しかし、仮想回線は、物理的な回線に比べて速度が遅い場合があるため、適切な設定が必要です。