カットスルー方式

カットスルー方式

 カットスルー方式(Cut-through switching)は、ネットワークスイッチング技術の一つで、フレーム(またはパケット)の処理方法を指します。この方式では、スイッチがフレームのヘッダ部分を読み取ると同時に、出力ポートに送信を開始します。つまり、フレーム全体をバッファリングすることなく、ヘッダ部分だけを確認して処理を開始します。

 カットスルー方式は、フレームの処理時間を最小限に抑えられるため、レイテンシーを低くすることができます。しかし、フレームが欠損していたり、エラーを含んでいた場合には、そのまま転送されてしまい、ネットワークのエラー伝播に繋がることがあります。また、フレームのサイズが大きい場合には、処理に時間がかかり、ネットワーク全体のパフォーマンスに影響を与えることがあります。

 一方で、カットスルー方式と対比されるのがストアアンドフォワード方式です。ストアアンドフォワード方式では、フレームを一時的にバッファリングしてから転送するため、フレームの誤り検出や修正ができるという利点があります。ただし、バッファリングによりレイテンシーが増加し、処理時間が長くなるというデメリットもあります。