エリア境界ルータ

エリア境界ルータ

ネットワークエリアを構成するためには、エリア境界ルータ(Area Border Router、ABR)が必要です。

 エリア境界ルータとは、複数のOSPFエリアに接続されているルーターで、異なるエリアのルーティング情報を収集し、各エリアのトポロジー情報を相互に配信するための役割を担います。また、エリア境界ルータは、バックボーンエリアと各エリアの間の接続点に位置し、エリア間のルーティング情報を伝播する役割も持ちます。

エリア境界ルータが持つ主な役割は以下の通りです。

  1. 各エリアのLSAの配信範囲を制御する。 エリア境界ルータは、接続しているエリアの情報を収集し、バックボーンエリアに配信します。このとき、各エリアのLSAの配信範囲を制御することにより、無駄なトラフィックを発生させずにネットワークの負荷を軽減することができます。
  2. バックボーンエリアと各エリアのルーティング情報を相互に配信する。 エリア境界ルータは、バックボーンエリアと各エリアの間の接続点に位置するため、バックボーンエリアと各エリアのルーティング情報を相互に配信することができます。これにより、異なるエリア間の通信を可能にすることができます。
  3. ルーティングポリシーの実装。 エリア境界ルータを使用することにより、異なるエリア間でルーティングポリシーを異ならせることができます。たとえば、あるエリアから別のエリアへのアクセスを制限したい場合、それを実現することができます。

 エリア境界ルータは、OSPFネットワークにおいて重要な役割を持ちます。エリアの設計や運用には、複雑な知識や技術が必要となりますが、適切に設計されたOSPFネットワークは、高い拡張性と安定性を実現することができます。