WEP

WEP

 WEP (Wired Equivalent Privacy) は、無線LANで利用されるセキュリティプロトコルの一つです。WEPは、無線LANの通信を暗号化し、不正アクセスから保護することを目的としています。

 WEPは、RC4と呼ばれるストリーム暗号アルゴリズムを用いて通信を暗号化します。暗号化には、同じ暗号鍵を使います。WEPは、64ビット鍵と128ビット鍵をサポートしています。WEPでは、暗号化されたデータを受信する側は、同じ暗号鍵を使って復号することで元のデータを取得することができます。

 しかし、WEPには脆弱性があります。WEPの鍵は、単純なアルゴリズムを使って生成されます。このため、鍵の生成方法を知っている攻撃者は、暗号化されたデータを解読することができます。また、WEPではパケットの暗号化のみ行われ、認証やメッセージ完全性の保証がありません。そのため、WEPは現在ではセキュリティが不十分であるとされ、WPA (Wi-Fi Protected Access) やWPA2などのより強力なセキュリティプロトコルが推奨されています。

WEPを使用する場合には、暗号鍵の定期的な変更や、不正アクセスを検知するためのログの確認など、適切な管理が必要です。

WEPの脆弱性

WEP (Wired Equivalent Privacy) には、以下のような脆弱性があります。

  1. 鍵の推測 WEPでは、鍵の生成に単純なアルゴリズムを使用しているため、鍵を推測されやすくなっています。攻撃者がWEPネットワークに接続し、パケットを傍受することで鍵のパターンを推測することができます。鍵を推測されると、パケットの暗号化が解除され、通信内容が盗聴される可能性があります。
  2. 鍵の再利用 WEPでは、同じ鍵が何度も再利用されます。鍵を推測されると、過去の通信データが解読される可能性があるため、鍵の定期的な変更が必要です。
  3. IV攻撃 WEPでは、暗号化に使用される初期ベクトル (IV) が送信されるたびに増加します。しかし、IVの範囲が限られているため、同じIVが何度も再利用されることがあります。このため、攻撃者は傍受したパケットからIVを推測し、暗号化されたデータを解読することができます。
  4. キーの共有 WEPでは、鍵の共有にプレシェアドキー (PSK) が使用されます。これは、同じキーを使用する全てのユーザーがキーを共有することを意味します。このため、一人のユーザーがキーを推測された場合、全てのユーザーの通信が危険にさらされることになります。

 これらの脆弱性により、WEPは現在ではセキュリティが不十分であるとされ、WPA (Wi-Fi Protected Access) やWPA2などのより強力なセキュリティプロトコルが推奨されています。