URG

URG

 URG(Urgent)は、TCPヘッダ内のフラグの1つで、TCPセグメントのデータに緊急データが含まれていることを示すために使用されます。TCPは、信頼性の高いデータ転送を実現するためのプロトコルであり、通信の効率性と信頼性を向上させるために、様々なフラグが定義されています。

 URGフラグがセットされたTCPセグメントは、通常のデータよりも高い優先度で扱われ、緊急性があることを示します。これは、緊急データが通常のデータよりも早く処理される必要がある場合に使用されます。緊急データは、TCP接続の制御や特定のアプリケーションによって使用されることがあります。

 URGフラグがセットされたTCPセグメントには、緊急データポインタ(URGポインタ)が含まれます。URGポインタは、緊急データの先頭バイトの位置を示します。URGフラグがセットされていない場合、URGポインタは無視されます。

 TCPセグメントの受信側は、URGフラグを検出した場合に緊急データを処理する必要があります。URGフラグがセットされたセグメントが到着した場合、受信側はURGポインタを参照し、指定された位置から緊急データを抽出して処理します。緊急データの処理方法は、アプリケーションやプロトコルに依存します。

 TCPヘッダ内のURGフラグは、16ビットのフラグフィールドのうち、5ビット目(URGフラグ)に位置しています。URGフラグがセットされている場合、フラグフィールドの値は0x0020となります。

 ただし、URGフラグの使用は非常に限定的であり、現代のネットワーキングではあまり使用されていません。一部の特定のアプリケーションやプロトコルにおいてのみ、緊急データの扱いが必要な場合に利用されることがあります。