TLSレコードプロトコル

TLSレコードプロトコル

TLSレコードプロトコルは、TLSプロトコルの中核となるプロトコルであり、セッション層でのデータの送受信を実現します。

TLSレコードプロトコルは、以下の手順で行われます。

  1. データのフラグメンテーション:TLSは、TCPのようにフロー制御やセグメンテーションを行わず、上位層のプロトコル(例えばHTTP)が送信するデータを、ある一定の長さに分割します。これをフラグメンテーションと呼びます。
  2. データの圧縮:圧縮アルゴリズムを用いて、データを圧縮します。ただし、TLS 1.3では圧縮は非推奨となっています。
  3. データの暗号化:暗号化アルゴリズムを用いて、圧縮されたデータを暗号化します。暗号化されたデータは「暗号化ペイロード」と呼ばれます。
  4. MACの生成:暗号化されたペイロードに対して、MAC(メッセージ認証コード)を生成します。MACは、通信相手が受信したデータが改竄されていないことを確認するためのものです。
  5. TLSレコードの作成:暗号化されたペイロードとMACを組み合わせて、TLSレコードを作成します。
  6. TLSレコードの送信:作成されたTLSレコードを送信します。

 上記の手順を踏んで、TLSレコードプロトコルによってデータの送受信が行われます。TLSレコードプロトコルは、TLSハンドシェイクプロトコルとともに、セキュアな通信を実現するための基盤となるプロトコルです。また、TLSレコードプロトコルは、TLS 1.3で改良され、フラグメンテーションや圧縮などが非推奨となっています。