TKIP

TKIP

 TKIP (Temporal Key Integrity Protocol) は、Wi-Fiネットワークにおいて、WEP(Wired Equivalent Privacy)の脆弱性を改善するために開発された暗号化方式です。WEPは、パケットの暗号化に共通鍵暗号化方式を用いており、その鍵を暗号化するための初期値として、IV(Initialization Vector)と呼ばれる値を使用していました。しかし、IVの長さが短く、同じIVが何度も使われることで鍵を解読されるリスクが高まっていました。

 TKIPは、WEPの代替として開発された暗号化方式で、パケットの暗号化には共通鍵暗号化方式を用いつつ、IVの再利用を防ぐために、IVの長さを拡張し、一定時間ごとにIVを自動的に変更することで鍵の解読を困難にしています。

 また、TKIPは、Integrity Check Value(ICV)と呼ばれる値を追加することで、改ざんを検知することができます。TKIPには、WEPと同じく、共通鍵を用いるため、セキュリティ上の脆弱性が指摘されており、現在では、より高度な暗号化方式であるWPA2-PSKやWPA3-PSKなどが使用されています。