SYN Flood攻撃

SYN Flood攻撃

 SYN Flood攻撃は、DoS(Denial of Service)攻撃の一種で、TCP通信の3ウェイハンドシェイクを悪用してサーバに大量の接続要求を送信することで、サービスを停止させる攻撃手法です。

 SYN Flood攻撃は、攻撃者が大量の偽造されたIPアドレスを使用して、サーバにSYNパケットを送信することで行われます。このパケットには、クライアントからの通信要求を示すSYNフラグが立てられていますが、攻撃者は通信を継続しないため、ACKフラグを立てたACKパケットを返信しません。そのため、サーバはSYN_SENT状態になり、接続の確立を待ち続けることになります。

 攻撃者が大量のSYNパケットを送信することで、サーバは過負荷状態に陥り、正常な通信ができなくなるため、サービス停止やサーバのダウンを引き起こすことがあります。また、攻撃者が使用する偽装IPアドレスを追跡することは困難であるため、攻撃者が特定されることは少ないとされています。

 SYN Flood攻撃に対する対策としては、ファイアウォールやIDS(Intrusion Detection System)を使用して、異常な通信を検知する方法があります。また、SYN Cookiesと呼ばれる技術を使用することで、攻撃を回避することも可能です。SYN Cookiesは、サーバがSYNパケットを受信した時点で、クライアントの情報を暗号化してクッキーとして保持し、ACKパケットを受信する際に復号化することで通信の確立を行う技術です。この方法を使用することで、サーバが攻撃に対して過剰に反応することを防止し、正常な通信を維持することができます。