NAT

NAT

 NAT(Network Address Translation)は、ネットワークにおいてIPアドレスを変換する技術です。この技術を使うことで、単一のIPアドレスを複数のネットワークデバイスで共有できます。一般的に、プライベートIPアドレスが公開IPアドレスに変換されます。

 NATは、IPv4のアドレス枯渇問題を解決するために開発されました。IPv4アドレスは32ビットで表され、約42億のアドレスを提供することができます。しかしながら、現在のインターネットの使用状況を考慮すると、これらのアドレスが不十分であることが明らかになっています。NATを使うことで、企業や家庭などの複数のデバイスを同じ公開IPアドレスで接続できるようになりました。

 NATは、パケットの送信元IPアドレスと送信元ポート番号を変換することで、プライベートIPアドレスから公開IPアドレスに変換します。これにより、外部のネットワークから見えるIPアドレスは、NATを実行しているルーターのアドレスとなります。パケットがルーターを経由して内部ネットワークに送信されるとき、NATは宛先IPアドレスと宛先ポート番号を変換し、対応するプライベートIPアドレスとポート番号に変換します。

NATの3つの主要なタイプは以下の通りです。

  1. 静的NAT(Static NAT):静的NATは、特定のプライベートIPアドレスを特定の公開IPアドレスにマッピングする方法です。この方法は、Webサーバーやメールサーバーなど、外部からアクセス可能なサービスを提供するサーバーに使用されます。静的NATは、公開IPアドレスの使用を最適化することができ、特定のデバイスに一意の公開IPアドレスを割り当てることができます。
  2. ダイナミックNAT(Dynamic NAT):ダイナミックNATは、プライベートIPアドレスを使用するデバイスがインターネットにアクセスするとき、一時的に公開IPアドレスを使用する方法です。この方法は、個人用のホームネットワークなどで使用されます。ダイナミックNATは、必要に応じて公開IPアドレスを割り当てることができ、IPアドレスの使用を最適化することができます。
  3. PAT(Port Address Translation):PATは、単一の公開IPアドレスを使用して、複数のプライベートIPアドレスを変換する方法です。PATは、ポート番号を使用して、アドレスを一意に識別します。一般的に、家庭用ルーターなどで使用されます。PATは、IPアドレスの使用を最適化することができ、同じ公開IPアドレスを使用して、複数のデバイスがインターネットにアクセスすることができます。