MPLS

MPLS

 MPLS(Multi-Protocol Label Switching)は、パケット交換ネットワークにおける高速な転送を実現するための技術です。MPLSは、IPパケットなどのパケットにラベルを割り当てて、パケット転送時にラベルを用いて高速な転送を行います。

MPLSの主な特徴は以下の通りです。

  1. ラベルスイッチング: MPLSは、パケットのラベル付けにより高速な転送を実現します。パケットをラベルによって識別し、転送先に向かってラベルに従って転送するため、従来のパケット転送に比べて高速な転送が可能です。
  2. パスの決定: MPLSは、パケットの転送経路を事前に決定することができます。このため、複数の経路がある場合でも、最適な経路を選択することができます。また、事前に経路を決定するため、パケット転送中に経路の変更が発生した場合でも、再ルーティングが必要ないため、転送遅延が発生しません。
  3. QoSの実現: MPLSは、パケットに優先度を割り当てることができます。このため、ネットワーク上でのトラフィック制御やQoS(Quality of Service)を実現することができます。例えば、ビデオストリームなどのリアルタイムトラフィックに優先的に帯域を割り当てることができます。
  4. VPNの実現: MPLSは、仮想プライベートネットワーク(VPN)を実現することができます。MPLS-VPNでは、各VPNに固有のルーティングテーブルを持ち、異なるVPNのトラフィックを隔離することができます。

 MPLSは、高速かつ柔軟なパケット転送を実現する技術として、ISP(Internet Service Provider)や企業ネットワークなどで広く利用されています。また、MPLSを利用することで、VPNやQoSなどの高度なネットワークサービスを実現することができます。