L2フォワーディング方式

L2フォワーディング方式

 L2フォワーディング方式は、L2スイッチがネットワーク上でフレームを転送する際に使用される方式です。L2スイッチはMACアドレスをもとにフレームを正しいポートに転送する役割を持ちます。以下にL2フォワーディング方式の詳細を解説します。

  1. ストアアンドフォワード(Store-and-Forward)方式
     ストアアンドフォワード方式では、フレームを完全に受信してから転送します。受信したフレームはフレームのエラーチェックやチェックサムの検証を行い、エラーがないことを確認した後に転送します。この方式は高い信頼性を提供しますが、フレームの受信とチェックに時間がかかるため、遅延が大きくなるというデメリットがあります。
  2. カットスルー(Cut-Through)方式
     カットスルー方式では、フレームのヘッダ部分を読み取り、宛先MACアドレスを検索してから転送を開始します。この方式ではフレームを完全に受信することなく転送を行うため、ストアアンドフォワード方式に比べて遅延が小さくなります。ただし、フレーム内のエラーが検出されない場合があり、信頼性やセキュリティが低下する可能性があります。
  3. ファストフォワーディング(Fast Forwarding)方式
     ファストフォワーディング方式では、宛先MACアドレスを一度だけ学習した後、スイッチングテーブルに登録されたポートに直接フレームを転送します。この方式は、学習済みのスイッチングテーブルを使用するため、転送先のポートを検索する時間を短縮できます。そのため、ストアアンドフォワード方式よりも高速な転送が可能です。ただし、転送先のポートが変更された場合には、スイッチングテーブルを更新する必要があります。

 L2フォワーディング方式は、ネットワークの規模やトラフィックの特性に応じて選択されます。ストアアンドフォワード方式は、データの信頼性やセキュリティが重要なネットワークに適しています。カットスルーやファストフォワーディング方式は、高速なデータ転送が必要なネットワークや低遅延が求められるネットワークに適しています。ネットワークの要件や目的に合わせて、最適なL2フォワーディング方式を選択することが重要です。