ICMPv6

ICMPv6

 ICMPv6は、IPv6ネットワークで使用されるInternet Control Message Protocolのバージョン6です。IPv6は、IPv4と比較してアドレス空間が広くなり、セキュリティ、QoS、モビリティなどの機能が改善されましたが、同時に新しいプロトコルやネットワーク管理の方法が必要になりました。ICMPv6は、IPv6ネットワークでこれらの機能を実現するために設計されました。

 ICMPv6は、IPv6ヘッダーの一部として使用され、IPv4のICMPと同じく、ネットワーク上のエラー報告や通信制御を担当します。IPv6では、ICMPv6は以下のような機能を提供します。

  1. ネットワーク障害の検出と診断:IPv6ネットワークで発生する問題を特定し、エラー報告を行います。例えば、pingコマンドを使用して、IPv6ネットワーク上のホストが応答しているかどうかを確認できます。
  2. ルーター通知:IPv6ネットワーク上のルーターが、ホストや他のルーターに対してメッセージを送信します。例えば、ルーターが自分自身のリンクローカルアドレスを伝えるために、ICMPv6ルーター広告を使用できます。
  3. パケットのフラグメンテーション:IPv6では、パケットのフラグメンテーションが必要な場合に、ホストまたはルーターが自動的に行います。ICMPv6は、フラグメントを行う前に、パケットが最大のパケットサイズを超えている場合にエラーを報告することができます。
  4. エラー報告:ICMPv6は、IPv6ネットワーク上のエラー報告を担当します。例えば、ネットワーク上のあるホストが宛先不明の場合、ICMPv6は、送信元に「宛先不明」というエラーメッセージを送信します。
  5. QoS(Quality of Service):ICMPv6は、IPv6ネットワークでQoSの制御を担当します。例えば、ICMPv6パケットには、パケットの優先度を示すフィールドがあります。