HTTP

HTTP

 HTTPは、Hypertext Transfer Protocolの略称で、Webページやその他のデータをインターネット上でやり取りするためのプロトコル(通信規約)の一つです。HTTPを使って、クライアント(Webブラウザやアプリ)とサーバー(WebサイトやWebアプリケーションなど)間で通信を行います。

HTTPの主な特徴や仕組みについては以下の通りです。

  • HTTPはTCP/IPプロトコルの上に構築されます。TCP/IPプロトコルは、インターネット上でデータを送信するための基本的なプロトコルで、データの信頼性や整合性を保証するために使われます。
  • HTTPでは、クライアントがサーバーに対してリクエストを送信し、サーバーはそれに応じてレスポンスを返します。リクエストやレスポンスには、ヘッダとボディという2つの部分があります。ヘッダには、リクエストやレスポンスの情報が含まれており、ボディには実際のデータが含まれています。
  • HTTPの通信では、クライアントがサーバーに対してリクエストを送信する際に、リクエストライン、ヘッダ、ボディの3つの部分で構成されます。リクエストラインは、リクエストの種類(GET、POST、PUTなど)、リクエスト先のURL、HTTPバージョンを指定します。ヘッダは、リクエストの詳細情報やクッキー情報などを含みます。ボディは、POSTやPUTなどの場合に、実際に送信されるデータを含みます。
  • サーバーは、クライアントからのリクエストに対して、HTTPステータスコードを返します。ステータスコードは、HTTPのレスポンスに含まれ、リクエストが成功したか、エラーが発生したかなどの情報を示します。代表的なステータスコードとしては、200(成功)、404(ページが見つからない)、500(サーバー内部エラー)などがあります。
  • HTTPは、セッションを維持することができます。これは、クライアントがサーバーに複数のリクエストを送信する場合に、セッションIDと呼ばれる一意の識別子を使って、複数のリクエストを同じセッションとして扱うことができます。

HTTP/2

 HTTP/2は、HTTPの後継プロトコルであり、性能の向上やセキュリティの強化などの改善が図られています。HTTP/2は、2015年に公式にリリースされ、現在では多くのWebサイトで使用されています。

HTTP/2の主な特徴や仕組みについては以下の通りです。

  • HTTP/2は、SPDYプロトコルをベースにしています。SPDYは、Googleが開発したHTTPの改良版で、HTTP/2に取り入れられた多くの機能が含まれています。
  • HTTP/2では、TCPコネクションの再利用やヘッダーの圧縮、マルチプレクシングなどの機能が導入されています。これにより、複数の要求を同時に送信したり、高速で通信することができます。
  • HTTP/2では、1つのTCPコネクションで複数のリクエストとレスポンスを処理することができます。これにより、TCPコネクションのオーバーヘッドを削減し、通信の効率を向上させることができます。
  • HTTP/2では、ヘッダーの圧縮が行われます。ヘッダーのサイズは、従来のHTTPでは大きくなる傾向がありましたが、HTTP/2では、圧縮アルゴリズムを使ってヘッダーのサイズを削減することができます。
  • HTTP/2では、サーバープッシュ機能が追加されました。これは、クライアントがリクエストしなくても、サーバーが必要なリソースをプッシュしてクライアントに送信することができます。これにより、Webページの読み込み速度を向上させることができます。
  • HTTP/2では、セキュリティの強化が図られています。TLS(Transport Layer Security)を使った暗号化通信が推奨されており、セキュリティの向上が期待されています。

 HTTP/2は、従来のHTTPと比較して、通信速度やセキュリティの面で改善が図られています。今後もHTTP/2に関する技術革新が進むことが期待されています。

HTTP/3

 HTTP/3は、HTTPの次世代プロトコルであり、QUICプロトコルをベースにしています。QUICは、Googleが開発した新しいトランスポートプロトコルであり、TCPよりも高速で安全な通信が可能です。HTTP/3は、そのQUICをベースに、HTTP/2の改良版として開発されました。

HTTP/3の主な特徴や仕組みについては以下の通りです。

  • HTTP/3は、QUICプロトコルを使用します。QUICは、UDPをベースにしたトランスポートプロトコルであり、TCPよりも高速で安全な通信が可能です。QUICは、一般的なWebサービスやビデオストリーミングなど、多くのアプリケーションで使用されています。
  • HTTP/3では、マルチパス接続が可能です。これは、1つの通信路に加えて、複数の通信路を使用することで、通信速度を高速化する機能です。また、複数の通信路を使用することで、通信路の断続的な障害に対しても、強い耐性を持っています。
  • HTTP/3では、コネクションの確立とセキュリティの強化が図られています。QUICは、TLSを使用するため、暗号化通信が自動的に行われます。また、QUICは、TCPのような3-wayハンドシェイクの代わりに、0-RTT(ゼロ・ラウンドトリップタイム)ハンドシェイクを使用することで、コネクション確立の速度を高速化しています。
  • HTTP/3では、リクエスト/レスポンスのマルチプレクシングが可能です。これは、HTTP/2でも導入されていた機能ですが、HTTP/3では、より高速かつ効率的に複数の要求を処理することができます。
  • HTTP/3では、サーバープッシュ機能が改良されています。HTTP/2では、クライアントがリクエストしないとサーバーからのプッシュは行われませんでしたが、HTTP/3では、サーバーがクライアントのニーズを推測して、プッシュを行うことができます。

 HTTP/3は、従来のHTTPやHTTP/2と比較して、より高速で安全な通信が可能です。HTTP/3が広く普及することで、Webサイトの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待されています。